帰国生入試の受験準備を行うのに最適な環境とは?vol.1 ―帰国生大学入試についてvol.70―

(2012年3月12日 17:55)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」では、前回まで中国語圏の国の現地校に通う人が滞在地でどのように受験準備を進めていくべきかということを5回にわたって説明してきました。その最後の3回では中国や台湾の現地校に通う人が学科試験に小論文試験しかない大学を受験することが多いため、小論文試験対策の準備を行うべきだと述べましたが、今回の記事からはそれを含めた受験準備を行うのに最適な環境とはどのようなものかということを考察していきたいと思います。


帰国生が受験準備を行う環境としては、主に日本の大学の一般入試対策を行う大手の予備校が海外の各地で説明会を実施していたり、そのHPがGoogleなどの検索エンジンで上位に表示されたりするため、受験生が多く集まる場となっています。このような場で学ぶことを選択する理由には他に、保護者の人が自分の大学受験に向けた学習のために通っていた経験があるということや、説明会などに一度でも参加すると頻繁に勧誘のための電話がかかってきたりメールが送られてきたりすることがあるでしょう。


しかし、日本の大学の帰国生入試やAO入試を受験する場合には、どこでその準備を行うのかということについて立ち止まって考えてみる必要があります。これはよく言われることかもしれませんが、一般入試ではどれだけ知識を蓄積したのかということが入試における成否を決定付けることが多いのに対し、帰国生入試などの特別入試には小論文試験や英語試験におけるエッセイといった、社会問題や一つ一つの学問分野で議論されている論件について自分の主張を形成し、その主張に対し読み手が確認できるだけの論拠を付加できるような説得力が求められるという点で、問われる資質や能力が異なるということがあります。


また、インターネットなどを中心に情報を収集している人や、日本の大学の入試に関して一般的に言われていることに馴染みのある人には意外なことかもしれませんが、小論文試験においては与えられた課題文の内容を能動的に理解する読解力が必要です(一般入試で広く見られるように、内容の理解度を試す問題として選択肢が与えられるものはほとんどないからです)。英語試験がある場合には、文構造や文法、語彙などについて、一般入試を受験する人よりも、充実した知識や徹底した理解、そして実際に英語を使ってきた経験が求められます。受験生活を充実したものにするためには、試験において試されるものに、一般入試と帰国生入試などの特別入試では上で述べたような大きな違いがあることに留意して、受験準備を行う場を選択する必要があるのです。


それでは、どのような環境が小論文試験と英語試験(場合によっては、その他の外国語の試験)を中心とする入試に向けた学習を行うのに最適と言えるでしょうか。次回は、受験準備を行う場に望まれるものとしてよく挙げられるものを題材に使いながら、考察を深めていきたいと思います。


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