大学受験セミナー受講生の一日の過ごし方についてvol.2 ―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol.21―

(2012年5月23日 19:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、帰国生大学受験セミナーの集団授業が行われる時期に、生徒がどのような形で午前中の時間を過ごすのかということを説明しました。9時半から授業が始まる前の時間帯と小論文の授業の様子をお伝えできたかと思いますが、今回は昼休みから教室が閉室になる時間までの過ごし方について、前回同様、この4月に集団授業を受講したオーストラリアの高校に通う人の一日を再現する形で、お話ししたいと思います。


【12:25~13:30】
2コマ目の授業の終了時間である12時25分からの65分間は、お昼休みになります。生徒の中には、1コマ目と2コマ目の授業の間の休み時間に教師陣と打ち合わせし、テイクアウトで注文した昼ごはんを食べる人もいますし(三軒茶屋は飲食業の競争が激しいためか、テイクアウトのできる美味しい料理を提供しているレストランが数多くあり、昼食を食べることを目的に教室に来るOBがいるほどです)、近くのスーパー、コンビニで自分の好きなものを購入したり、自宅や宿泊先からお弁当を持ってきたりする人がいます。また、この4月はありませんでしたが、SOLの教室には炊飯器や土鍋、オーブンが置いてあり、生徒が自分でご飯を炊いて買って来たおかずと一緒にそれを食べたり、時には調理したりという光景もこの時間に見られるものです。


食べているものは様々ですが、ほとんどの生徒が我々と一緒に共有スペースで昼休みを過ごします。午前中にしっかりと頭を使ったことによる充実感があるのか、それとも受験勉強から解放されている感覚があることが理由なのかは分かりませんが、この時間帯は他の休み時間よりも賑やかで、生徒が代わる代わる、皆で共有できる話題を提供し、我々を含めたその場にいる人全員でそれについての話をすることもありますし、生徒同士で楽しげに会話を交わしているということもあります。近いうちにホームページに掲載予定の推薦文に、ある生徒が「SOLは一風変わった塾」で「教室内がクラブやサークルの部屋」のようであると書いたのは、このような教室の様子を捉えたものだと思います。


ただし、そのような寛いだ雰囲気の中でも、我々も同じテーブルを囲んでいますので、一昨年の生徒の書いた推薦文にもあるように、ものを考えるきっかけとなる何かを生徒に与えることができるトピックを教師の側から提供したり、社会問題や文化・言語といった学問的な論件について教師間でディスカッションをする様子を見せたりするように日々心がけています。今までに提出された推薦文を見る限り、我々のこうした姿勢に刺激を受け、自分の学びに対する姿勢を見直す生徒は少なからずいるようです。


【13:30~14:50】
13時半からは3コマ目の授業です。前回は小論文の授業の様子をお伝えしましたが、今回の記事では英語の授業について述べたいと思います。世間一般では、帰国生というと「英語ができる人」というイメージがあるようですが、海外での滞在年数や、日本の教育システムをどの段階で離れたのか、また現地校や国際校の学習環境はどのようなものであったのかといった様々な条件によって、習得した英語運用能力に大きな違いが見られるというのが現実です。


例えば、4月に教室に来ていたオーストラリアの高校に単身留学している人の中には、文法事項の学習をしっかり行う日本の中学校に通っていたため、その点については大きな問題はない一方で、英語を使用した経験の蓄積が少ないことが関係して、使える単語や表現が少なかったり、偏りがあったりするというケースがあります。また、日本の教育機関に嫌悪感を抱いたことが単身留学をした主な理由であり、滞在国で受けた英語圏のネイティブと同様の授業の中で英語運用能力を高めようとしたために、英語がどのように使われるのかということに対して体系的な理解がないものの、自分の知っている事柄を活用して、コミュニケーションを取ることには問題がないという人もいます。


この4月は1クラスの生徒が最大4名であったため、一人一人が直面している課題に対応する教材を用意するという形で授業を実施しました。集団授業が始まると授業内での使用教材や授業進行の面で個別的なアプローチを採ることが難しくなりますが、教材や授業を進めるスピードが異なる2つのレベルの授業を同時に行い、どちらのクラスを受講するのかを我々から助言を与えた上で選択してもらうこと(進行速度が速い方が多くのことが学べると考える人もいますし、ゆっくりと授業が進むことで質問をする余裕があることを重視する人もいます)、そして授業後の自習の際に生徒が抱えている問題を確認し、それを克服するための教材を渡したり、質問を受ける時間を設けたりすることによって、生徒全員が自らの持つ潜在能力を最大限引き出せるようなサポートをしています。


なお、7月・8月のセミナーでは、早稲田大学や上智大学の入試に向けた対策授業があったり、生徒の志望する学部学科によって人文科学系と社会科学系に小論文のクラスを分けたりすることがある関係で、15時から16時20分にかけてもう1コマ授業があるというケースがあります。

それでは、記事のヴォリュームが多くなってしまったので、授業後に生徒がどのようにして時間を過ごすのかについては次回に譲りたいと思います。今回の記事の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。


【お問合せフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



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