北半球の高校生の受験準備に関してvol.19 ―帰国生大学入試についてvol.161―

(2013年3月14日 18:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、自分の学問的な関心や適性を確認するために本を読んだり社会的な活動に参加したりする際に、現時点での自分の好みに関係なくできるだけ広いものにふれるように心がけるべきであるということを述べました。十代の人にとっては自分の新しい側面に出会うことが頻繁にあってもおかしくないですし、むしろ当然のことでもあります。このようなことを考えると、自分の潜在的な能力や適性を引き出せるように今感じていることに縛られず様々なことを試みてみるのが重要だと思います。


さて、このブログでは英語圏の国々の教育制度(IBを含む)で学んでいる人にとって英語運用能力を高めるための学習が重要であること(その他の国の教育制度で学んでいるのであれば、「英語」をそこで主に使われている言語に置き換えてください)を、色々な切り口から説明してきましたが、社会的な活動に参加する場面でもこれに変わりはありません。一口に「社会的な活動に参加する」と言っても、活動への関わり方は企画の立案者から現場の責任者、そして他の人が決めたことをただ実行するだけの人まで幅広く考えられますが、そこで自分の学問的な関心や適性の理解につながるものを得たいのであれば、職務の遂行に知的な作業が多く含まれるものを担当するのが望ましいと言えます。


例えば、一昨年の東日本大震災の後に、通っていた高校などで何らかの商品やサービスと引き換えに得た収益を募金する活動をしたという帰国生や海外生は少なくないと思います。ここ2年のSOLの生徒の中にも、自分達で作成したリストバンドを近くのショッピングセンターで販売した人や、日本人補習校の敷地で洗車のサービスをした人などがいます。このような活動の中で、商品やサービスの内容を企画立案したり、コストを計算した上で価格を決定したりといった過程で一定の役割を担った場合には、経営学部や商学部で学ぶことはどのようなものであるかということを現実の中で確認することが可能になりますし、募金先を選択する際にNPOやNGOのあり方などを調べるということで、それらの団体に関する法律や公共的なルールなどにふれられるということも考えられます。社会的な活動における中核的な作業を行なうことは、大学で学ぶ学問的な事項と自分を結びつける機会を与えてくれるのです。


様々な活動の基本的な方向性を決める場面で中心的な役割を果たすには、他の参加者との話し合いにおいてどれだけ複雑な内容であっても自分の考えを明確に伝えられることが必要になりますし、公的な文書を読んだり募金先などの活動におけるパートナーに正式な形で手紙やメールを書いたりする能力も欠かせませんが、これら全ての基礎になるのは高い英語運用能力です。意義ある活動に参加しても単なる売り子では貴重なものを学べることはないと南米から帰って来たOBのT君は受験した時によく言っていましたが(彼は上で述べたリストバンドの販売を行なったものの、それについて印象に残っていることがほとんどなく、志望理由書を書くのに苦労していましたし、大きな後悔が残ったようです)、そのような事態を避けるためにも、英語の学習に取り組むようにしてください。


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