北半球の高校生の受験準備に関してvol.22 ―帰国生大学入試についてvol.164―

(2013年4月12日 20:40)

こんにちは。SOLの余語です。前回は、アメリカの教育制度を採用する海外の高校を卒業する予定で、SATのこれまでReasoning Testと呼ばれていたもののスコアが1900点以上、TOEFL iBTのリーディングやライティングで合わせて55点以上に達している人が日本の大学の帰国生入試やAO入試を受験する場合、これら2つのテストの受験や対策をこの後も継続すべきかということを検討しました。


そこでも述べましたが、SATやTOEFL iBTのスコアの提出が求められる大学でも、一部の国立大学や慶應義塾大学以外のところでは、SATのスコアが合否に直接的な関連性を持たない場合がほとんどですし、TOEFL iBTで上のような成績を修めているということは帰国生入試やAO入試で充実した成果を収めるために十分な英語運用能力を有していることを示しています。ですので、早稲田大学や上智大学、ICU(4月入学者を対象とした帰国生入試)の受験を中心に考えているのであれば、これ以上SATやTOEFL iBTに関する学習を続けることに大きな意味はありません。このような条件に当てはまる人で高校での学習や活動などに時間を費やしても暇がある場合には、日本語の新書などを購入し学問的な文章にふれるのが望ましいと思います。


そのように考える理由の一つは、それが帰国生入試やAO入試における小論文試験の対策になるということです。小論文試験は多くの場合、学問的なトピックを扱う問題文を読解した上で、問題文中の主張に対する自分の考えを論ずるという形で出題されますが、ここで高い評価を受ける答案を書くためには学問的な文章に対する読解力を身に付けておくことが必要不可欠になります(問題文の筆者の主張を正確に理解できないままで小論文を書くと、自分勝手な解釈で筆者の主張を歪めることにつながりますし、筆者に賛成すると宣言しておきながら批判することにつながる内容になってしまうということが起きる可能性もあります)。日本語で書かれた小説を多く読んでいるので心配はないと考える人もいるかもしれませんが、学問的な文章で用いられる語彙や表現、またその内容を理解するのに必要な知識は小説の中で見かけるものとは大きく異なり、そのようなものに慣れるためにはできるだけ多くの文章を読むことが求められます。


また、日本語での読書量を増やすことは自分の志望する学部・学科を明確にすることにもつながります。これは、上智大学の帰国生入試のように各学科で専門的に扱われる学問と関連性のある文章を小論文試験の中で出題するものの対策をいち早く取りかかることになりますし、4年間の大学生活を意義あるものにしたいのであれば自分の学問的な興味や関心を確認する機会を持つべきだということは以前の記事でも述べた通りです。また、大手予備校や塾では、受験生が強い学習意欲を抱くことができない学問を専門分野とする学部や学科を「滑り止め」として受験校に入れるのを黙認しているようですが、帰国生入試やAO入試は一般入試と異なり繰り上げ合格の制度がないのが一般的で、このような形で入試に臨むのは他の真摯な志望動機を持っている人に大きな迷惑をかける可能性があります。このような意味からも、読書を通して自分の学びたいことに関する理解を深めておくことは重要なことと言えるでしょう。


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