北半球の高校生の受験準備に関してvol.40 ―帰国生大学入試についてvol.182―

(2013年6月20日 17:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、英語以外の言語を主に使用する教育制度を採用する高校で学んでいて、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験を予定している場合、その言語の運用能力を測る試験で一定のスコアや級を取得しておくことが、受験できる大学を増やすために必要であるということを述べました。特に、外国語試験をスペイン語や中国語によって受けられるところは少ないので、これらの言語を学習している人にとって前回の記事で述べたことはより高い重要性があると考えられるでしょう。


さて、最近、帰国生入試やAO入試では、TOEFL iBTやTOEICといった英語運用能力試験のスコアを出願資格認定のための条件としてだけでなく、合否判定の際に英語試験の得点の代わりに用いるものが見られます。このような入試では、出願が認められる基準となるスコアをできるだけ上回っておくことが望ましいとされるのが一般的ですが、英語以外の外国語と日本語という2つの言語の運用能力が高いケースでは、基準点よりも少し高いスコアを提出することで合格できるというものがあります。


例えば、受験生の間で人気が高い明治大学国際日本学部の海外就学者入試は、TOEFL iBTで68点以上、TOEICで700点以上のスコアが出願資格を得るのに求められ、英語圏の教育制度で学んだ場合にはそれぞれ上で示したものよりも相当に高いスコアがないと書類審査を通ることが難しいものです。一昨年、僕らの教室からこの入試を受験した人がいましたが、彼女はTOEFL iBTのスコアが70点前半であったものの、中国語をネイティブと同様に用いることができましたし(中国語が家庭内言語の一つとして使われていましたし、中国の現地校を卒業したのです)、日本語の運用能力も年齢相応の水準に達していました。そのため、志望理由書で中国語と日本語を自由自在に使いこなすことができる上に、英語の学習においても一定の成果を収めていることをアピールしたところ、書類審査やその後の第二次選考(小論文試験・面接試験)を無事通過することができました。


このような傾向は法政大学のグローバル教養学部(GIS)の自己推薦特別入試などでも確認できますし、慶應義塾大学法学部のFIT入試でも日本語以外に2つの言語を使いこなすことができるのは大きなアピール力を持っていることがこれまでの受験結果から分かっています。以上で述べたことを踏まえると、高校の授業などで主に用いられる英語以外の言語の運用能力を十分に向上させることができた場合、その後に英語の学習に取り組みTOEFL iBTやTOEICのスコアを取得しておくことが、合格が望める大学を増やすことにつながると言えると思います。


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