早稲田大学の帰国生入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.184―

(2013年6月28日 17:45)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」では、前回までアメリカやイギリス、中国に代表される北半球の国々の教育制度やそれと同様のスケジュールで実施されるIB Diplomaコースを採用する高校で学んでいる人が、高校を卒業する以前の段階で日本の大学の帰国生入試やAO入試に向けた準備として何を行うべきかということを説明してきました。学習において重点をおくべき事項については、特に自分の通っている高校で主に用いられている外国語の運用能力の高低によって異なったものになりますので、自分の状況に合った記事を参考にしてもらえればと思います。


さて、今年も6月の後半となり、2014年度入学者を対象とした帰国生入試やAO入試の要項がいくつかの大学のHP上などで閲覧することが可能になっています。今回は、早稲田大学の国際教養学部を除く全ての学部で実施される帰国生入試の概要についてお知らせします。まず、この入試制度において出願資格を得るためには、以下のような条件を満たすことが求められます。


(1)日本国籍、または永住権を有すること
(2)国の内外を問わず、通常の12年の教育課程を修了している(もしくは、修了見込みである)こと
(3)外国の教育制度を採用する海外の高校で最終学年を含めた2学年以上継続して在籍し、2014年3月31日までに卒業していること
(4)出願時に高校卒業から1年以内であること
(5)自分の卒業した高校の教育制度において大学入学資格を取得していること



これらの条件のうち、(5)に関しては、例えばIB DiplomaコースでIB Certificateしか取れなかったのであればアメリカの統一試験であるSAT Reasoning Testと以前は呼ばれていたものかACTのスコアを提出しなければなりませんが、出願手続き期間の後に大学入学資格取得のための試験のあるオーストラリアやニュージーランドの教育制度で学んでいる場合には、その試験を受験できる見込みであることを証明できれば出願資格が認められます(以前の入試要項ではこの点が不明確になっていましたが、今年度のものの6ページにその点についての記載があります)。また、中国国籍を持っている者しか統一試験の受験ができない中国の教育制度で学んだ人は、HSKで日本人が大学入学資格を得る条件となっている級が取れていれば出願は可能です。どちらの場合も、SATやACTのスコアが提出できないとしても合否判定で不利になるということはありませんので、これら2つのテストの受験は必要ありません。


文学部や文化構想学部では、一年次から英語で原書を読む授業があるためか、英語以外の外国語(ドイツ語、フランス語)で外国語試験を受験した場合、上に挙げた5つの条件に加えて、日本の高校を卒業した人と同様の英語運用能力があることが求められます。このため、出願手続き時に提出する高校の成績証明書に英語の成績が記載されているかを確認しなければならないことに注意してください。


文系の学部・学科の合否判定は、学部・学科に関係なく共通の問題として作成された国語試験、小論文試験、外国語試験(政治経済学部では小論文試験の代わりとして数学試験を選択することが可能です)といった筆記試験のうち、学部・学科ごとに指定されたものの得点のみに基づいて行なわれるのが通常で、教育学部の一部の学科や人間科学部、スポーツ科学部でのみ面接試験などの第二次選考が実施されます。どのような学力が如何なる水準で求められるかも学部・学科によって異なりますが、例年は国語試験や小論文試験の難易度が極端な形で設定されたり受験生間での得点差が開きにくい出題であったりしているために、外国語試験の出来が最も重要な意味を持っています(ただし、この点についてはこちらも参照してください。また、人間科学部では面接試験の出来も重視される場合があります)。


最後に出願手続きに関してですが、この入試制度における手続きはWebでの登録と出願書類の送付の2段階に分かれており、前者の手続き期間が7月1日10:00から7月25日12:00まで(いずれも日本時間)、後者は7月18日から7月25日まで(締切日必着)となります。イギリスの教育制度で学んだ場合を除いては、出願手続き間までに書類が揃っていないと出願資格が認められないことがありますので、SATのスコアカードのように大学に直送しなければならないものについては早めに手続きを取るようにしましょう。


【早稲田大学帰国生入試要項】
https://www.waseda-iao.jp/waseda/images/pdf/r_youkou2014.pdf


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/


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