TOEFL iBTのWriting Sectionで書くエッセイについて―英語学習の勧めvol.140―

(2013年8月15日 18:10)

こんにちは、SOLの余語です。
「英語学習の勧め」のvol. 133からvol. 139までの各記事では、日本の大学の帰国生入試やAO入試における英語試験の出題形式の傾向や、問題の内容、もしくは採点時に重視されるものに関して特色があるものの概要をお知らせしてきました。入試に向けた準備を進める中では、自分が受験する大学や学部・学科の過去問を取り寄せ、その特徴にあわせた学習をする時期を設けるのが望ましいと思います。


さて、前回の記事で、上智大学外国語学部英語学科の試験で出題されるエッセイ問題の説明をする際に、この試験では文法や単語・表現の用法を正確に理解できているかだけでなく、自分の主張が内容的に練れたものであるかという点も問われるものであることを述べました。一方で、その他の多くの試験でエッセイ問題が出題される場合にも基本的に前者が重要な評価基準となりますが、これはTOEFL iBTのWriting Sectionで書くことが求められるエッセイに関しても同様です。


TOEFL iBTを実施しているETSが出版する公式問題集で、Writing Sectionについての概括的な説明の部分を読むと、採点時に重視される項目として「うまく自分の主張を展開できているか」(development)「適切な構成でエッセイを書けたか」(organization)「正しい文法・語法で書けたか」(language use)の3つが挙げられています。最初の項目は、自分の主張を十分にサポートする論拠を提示できているかどうかだと説明されているため、エッセイの内容が最もこだわるべきポイントの一つのように思われます。


しかし、小学6年生でもスコアが90点に到達していたり、中学3年生で満点を取っていたりするケースがあることを考えると、エッセイにおいて展開する主張の内容が練れたものであるかということが本当に重要な基準になっているのかについて疑問が湧きます。この点、インターネットではどのようなエッセイが実際にいかなる評価を受けたかを確認できるサイトが数多く存在しますが、最高点を取得したとされているものは内容的に大きな矛盾がないだけで、深みのある考察が文章化されているわけではなく、むしろ構成や文法・語法に関する基準が重視されているということが分かります。


このようなことを考えると、実際にテストを受験する際には、例えばトピックとなっている文に同意するか否かを問うものであれば、とりあえず結論を「同意する」という方に決めてしまい、そのような主張を支持するような理由を手短に考え(理由が複数思いつかない場合には具体例を入れてもよいでしょう)、あとは正しい文法や語法に基づいてそれを文章化することに集中するのが望ましいということになりますし、Writing Sectionの対策においては文法や語法に関する学習に注力すべき事項の一つということになるのだと思います。


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