早稲田大学国際教養学部のAO入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.206―

(2013年9月6日 16:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、早稲田大学政治経済学部で実施されるAO方式による総合選抜入試の概要をお知らせしました。この入試では、日本語による読解論述問題の出来が重要になり、ここで十分な成績が取れていれば、国際政治経済学科でもTOEFLのスコアが85点ぐらいでも合格が期待できますので、政治学や経済学に関する新書をできるだけ多く読むということを対策の一つとすべきだと思います。


さて、この大学では国際教養学部でもAO入試を行なっており、毎年多くの帰国生が受験しています。この学部は自分の関心のある学問が特定できたとしてもその学びを深めることができないなど、カリキュラムや教育体制に大きな問題のある学部で、海外での滞在期間が長く英語運用能力が高い(TOEFL iBTで言えば90点以上)人には特にお勧めできないところです(入学したことを後悔している人も少なくないようです)。そのため、このブログでその入試の概要を紹介するのは気乗りがしないのですが、帰国生の間で強い関心を持たれているということに変化がありませんので、外国の教育制度を採用する高校を卒業した人を対象とした「4月入学・国外選考」だけ取り上げたいと思います。


この選考で出願資格を得るための条件は以下の通りです。


(1)外国の教育制度において、通常の12年の学校教育課程を2014年3月31日までに修了している(もしくは、修了見込みである)こと
(2)高校の採用する教育制度において大学入学資格を取得している(もしくは、取得見込みである)こと
(3)2011年8月1日以降に受験した大学指定の英語運用能力試験の成績証明書を提出できること



これらの条件のうち、(2)では大学入学資格取得のための統一試験や最終試験の成績書を提出することが求められていますが、在籍した高校の採用する教育制度にそのような試験がない(または、中国のように日本人は受験できない)場合には免除されます。また、(3)の「大学指定の英語運用能力試験」には、TOEFL(ITP以外)やTOEIC、IELTS(Academic Module)、GEPT、英検が該当します。


合否の判定は、書類審査や筆記試験(Critical Writing)、面接試験の結果に、提出された英語運用能力試験の成績を合わせて行なわれますが、合格に必要とされるTOEFLやTOEIC、英検などのスコアや級は海外での滞在年数や外国の教育制度を採用する教育機関での在籍期間によって異なります。また、筆記試験であるCritical Writingは、その他の大学の日本語小論文試験のように問題文を読んだ上で、そこで扱われたトピックに関するエッセイを書くという出題形式を採ることが多いものです。問題文となる文章は帰国生が受験する入試の中でも最も長いものの一つですので、日頃から英語で書かれた新聞や本などを読んで読解力を鍛えておくのがよいと思います。


この専攻の出願手続き期間は8月19日から9月18日までとなります。書類審査においては、活動報告書や時事問題についてのエッセイの出来が重要になりますので、受験を考えている人はなるべく早い段階で準備に取りかかるのが望ましいと言えるでしょう。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
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