横浜市立大学の海外帰国生特別選抜について ―帰国生大学入試についてvol. 277―

(2020年11月27日 12:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、青山学院大学の文学部英米文学科や地球社会共生学部の自己推薦入試の特徴をお知らせしました。どちらの入試も大学が指定する英語運用能力試験の成績が合否を判定する際に重要な役割を果たしますので(特に前者はそれでほとんど決まってしまいます)、受験を考えている人はTOEFL iBTやIELTSなどのスコアを出願手続きの期間に間に合うように上げていくという方向性で準備を進めましょう。

さて、今回は首都圏の国公立大学の中で最も早い時期に実施される横浜市立大学の海外帰国生特別選抜を取り上げたいと思います。この大学の文系学部には国際教養学部や国際商学部があり、前者は国公立大学では珍しいリベラル・アーツ系のカリキュラムを、そして後者は経営学が中心となったカリキュラムを採用している上に、少人数制の授業が多く設けていたり、ゼミなどで社会的なプロジェクトに参加する機会があったりといった理由から帰国生に人気があるところになっています。SOLのOBOGの間でも授業だけでなくサークルのような課外活動が盛んに行われている点や人間関係の形成がしやすい点についても高く評価されています。

この入試では、出願資格を得るためにTOEFL iBTやIELTSなどの英語運用能力試験について大学が定める水準を超えた成績を取っていることが求められていますが、その水準自体は例えば国際教養学部であればTOEFL iBTで76以上、IELTSで5.5以上というようにそれほど高いものではありません(国際商学部の場合、前者で61以上、後者で5.0以上となります)。ただし、2つの学部ともTOEFL iBTで80、IELTSで6.0というラインを超えることができれば合否判定の際に加点がありますので、受験を考えている人はこれを目標に英語運用能力試験の対策を進めていきましょう。

合否の判定は、小論文や総合問題といった筆記試験や面接試験の出来に基づいて行われます(上で述べた英語運用能力試験の成績に関する条件を満たしている場合には加点も含まれます)。SOLのOBOGが受験した結果を見る限り、これらの試験の成績が良ければ英語運用能力試験のスコアによる加点がない人でも逆転合格を勝ち取れる可能性がありますので、そのようなケースでも諦めることなく2つの試験の対策をしっかりと行うのがよいと思います(通常、帰国生入試やAO入試であっても面接試験が合否に大きな影響を持つ試験はそれほど多くないのですが、この大学のものはその例外に当たります。志望理由や海外体験で得たものなどについて自分なりに考察を深めておきましょう)。

なお、この大学には今回紹介した入試以外に帰国生が受験できるものとして総合型選抜入試(去年までのAO入試です)やIB Diplomaを取得した人が受験できる国際バカロレア特別選抜があります。特に、前者は出願資格を得るために必要なものや試験のあり方が異なりますので、関心のある人は以下に貼るリンク先で詳細を確認してください。

【横浜市立大学入試要項】
https://www.yokohama-cu.ac.jp/admis/undergraduate/tt534t0000000g96-att/2021yoko.pdf

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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