TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(10) ―英語学習の勧めvol. 179―

(2020年12月2日 11:55)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、TOEFL iBTやIELTSなどのReadingで出題される文章を速く正確に読むこと(そして、問題の正答率を上げること)を支えるものの一つとして文法に対する理解があるということを、日本で最近見られる英語学習におけるトレンドを紹介しながら説明しました。そこでは文法学習の必要性に関して抽象的に説明することに終始してしまったので、今回は具体的に例文を挙げることでそれを確認できればと思います。

英語の文法事項の中で、学問的な文章を読むのに理解しておくべきものは(日本の大学入試の準備において学ぶように言われるものほどではないですが)多くあり、動詞に関連したルールはその一つです(最近出版されているテキストの中には総ページ数の半分以上を占めているものもあります)。例えば、動詞の原形(辞書に載っている形ということです)の後ろにingが付いた形が「~すること」という意味で名詞としての役割を果たしたり、他の名詞や動詞、時にはある文で表されている事象の様子を詳しく説明したりする形で用いられることを理解しておくことは文中にある語と語の関係を考える際に必要不可欠なものです。また、動詞の中にはvisitのように動作の対象になる語が一つだけ後ろに置けるものとgiveのように二つ置けるものがあるということを知っていれば、ある文がどのような構造になっているかを比較的容易に把握することが可能になります(その効果は前回の記事で述べた通りです)。

以下に上で述べたような事項が十分に理解できていれば速く正確に読むことができる英文をいくつか挙げてみますので、自分の文法学習の進み具合に関心がある人は日本語に訳してみてください(これらの文は全てCambridge University Pressから出版されている”IELTS ACADEMIC 13 WITH ANSWERS”というIELTS対策の問題集から引用したものです)。

Working with teenagers, they found that who ‘approach’ to a boring situation report less boredom than those who try to avoid it by using snacks, TV or social media for distraction.

Classical music composed by a computer program has had audiences enraptured, and even tricked them into believing a human was behind the score.
※enraptureは「~をうっとりさせる」という意味です。

These prices, coupled with the increasing demand, spurred the search for new routes to Asia by Europeans eager to take part in the spice trade.

It is mentioned in several books of the Bible, both as an ingredient that was mixed with oil for anointing people’s bodies, and also as a token indicating friendship among lovers and friends.
※anointは「~に塗布する」という意味です。

Europeans who could afford the spice used it to flavour food, particularly meat, and to impress those around them with their ability to purchase an expensive condiment from the “exotic” East.
※condimentは「香辛料」という意味です。


info@schoolofliteracy.comまで解答を送ってもらえれば、その正誤の確認をするとともにどのような文法事項について学びを深めるべきかということに関するアドバイスを答案につけてご返却します。また、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、上のアドレスにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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