ICUのユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学帰国生入試について ―帰国生大学入試についてvol. 266―

(2020年9月11日 10:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、慶應義塾大学の帰国生入試の特徴を紹介しました。この入試は出願手続き期間に提出する大学入学資格取得のための統一試験の成績やTOEFL iBTもしくはIELTSのスコアなどで合否が決まることが多いですが、法学部では小論文試験の出来が大きな影響力を持ちますし、文学部では参考小論文において日本語運用能力が見られます。これらの学部を受験する際には事前の準備をしっかりとした方がよいでしょう。

さて、今回は国際基督教大学(ICU)の教養学部アース・サイエンス学科で実施されるユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学帰国生入試を取り上げたいと思います。知っている人も多いでしょうが、ICUは日本で早くからリベラルアーツ的なカリキュラムを採用してきた大学で、同様のカリキュラムで運営しているとされるその他多くの大学と違い、3年次から選ぶことのできる専攻(メジャー)も充実している(教養学部系の大学や学部のほとんどは専門的な学識と高い英語運用能力を兼ね備えた教員を確保することが難しいということもあり、もともとメジャーを選択するという制度がないか、あったとしても2、3のものから1つを選ぶかという形になっています)上に、自分の学問的な関心に従って複数のメジャーで所属することができます。それに加えて、日本語でも英語でも質の高い授業が提供されていたり、授業を受講する方針について相談ができるアカデミックカウンセラーもいたりするため、帰国生だけでなく、大学で専門的かつ多角的に何かを学びたいという受験生の間で人気が高まっています。

今年度のユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学帰国生入試は、新型コロナウィルスの感染拡大に対応するために、小論文を事前に提出することに、そして面接試験はzoomによる個人面接になりましたが、例年は出願手続き時に提出した書類(TOEFL iBTやIELTSといった英語運用能力試験のスコアを含みます)の内容や、小論文試験、グループディスカッションの形式で行われる面接試験の出来で合否が判断されます。この合否の判定には多くの要素が関わっており、理系的な問題について学びたいという人は試験官に好印象を与えるようですし、海外でどのような形でどれくらいの期間学んできたのかという点や受験生の家庭が居住している国や地域の社会に深く関与しているかといった点も考慮されます。また、グループディスカッションにおいては、様々なことを学ぶことに前向きな姿勢を持っているか(知的な好奇心が「閉じた」ものになっていないかと言い換えることができるかもしれません)ということが重視されるようです。

そのため、この入試で合否の予測をするのは難しく、英語運用能力試験のスコアだけに注目すると、SOLの生徒ではTOEFL iBTが80、IELTSであれば6.0で合格しているケースがあります。自分の置かれた状況ではどれくらいの合格可能性があり、受験までに何をしておくべきかを具体的に確認したい人はこの記事の終わりにある教育相談フォームから連絡してもらえればと思いますが、どのようなケースにも共通して必要なものは、様々なものに対して旺盛な知的好奇心を抱いていることで、これは自分の学問的な関心が向かう先はどこなのか、またそれをICU特有のプログラムを通じてどのように深めていくことかできるのかについて考えることで身につくものです。このようなプロセスは、ICUでの学生生活を充実したものにするためにも重要なものですので、しっかりと時間をかけるようにしましょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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