1月25日から1月29日までのグループ指導について―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 138―

(2021年1月25日 14:05)

こんにちは。SOLの余語です。
SOLでは、先週の金曜日にオーストラリアやニュージーランドの高校生を対象としたオンラインでのグループ指導(帰国生大学受験セミナー「2021年11月卒業生コース」の「1学期」)が終了しました。zoomのようなアプリケーションを使用して授業を行う際には、生徒間で関係を築くのが難しいという問題があるということは今回のグループ指導の前から認識しており、それをどのように克服するかについて試行錯誤をしていたのですが、一部の生徒が授業の前後に話をするようになった一方で、それに全員を巻き込むことができなかったように思います。今後どのような形で受講環境のこのような側面を改善していけばいいのかという点について検討を重ねていきたいと考えています。

以前の記事でもお知らせしましたが、現在、ホームページの作成に関してはほとんど素人である僕のできる範囲でSOLのホームページの更新作業を行っています。以前からやりたいと考えていたものの一つに、TOPページにある文章の入れ替えがあるのですが、この作業は僕の手に負えるものではなかったため、この分野に詳しいOBに依頼したものの、彼も仕事が忙しいようでなかなか着手できないようですので、まずはブログに新しいものを掲載したいと思います。僕らが日々どのようなことを考えて教室を運営しているかということをまとめたもので、帰国生大学受験セミナーの基本的な方針がより多くの人に伝わればいいなと考えています。

海外の高校を卒業した人が日本の大学に入学しようと考えた場合、帰国生入試やAO入試、自己推薦入試などといった特別入試を受験するというのが一般的です。このような入試制度では、多くの場合、問題文として与えられた文章を読み、その内容に関する自分の考えを文章化する小論文試験の出来が合否を大きく左右します。

この試験で合格に必要な水準を満たすには、日本語で書かれた文章を読む能力や現代社会が抱える問題に対する理解の蓄積だけでなく、これまで自分が生活してきた中で築き上げてきた様々な「枠」を超えて物事を考える力やそのようなことに積極的に取り組もうとする姿勢が重要になります。なぜなら、「主観的な思い込み」でなく「できるだけ客観的な主張」を文章化すべきと言われる小論文試験では、自分とは異なる価値観や人生経験などを持つ人に「問題文の中で与えられた条件を踏まえればこのような結論に到達しても問題ない」と納得してもらうことが高い評価に結び付くからです。

現在、帰国生入試などでは英語を中心とした外国語運用能力試験の成績が重視されることも多いのですが、このような試験に向けた対策においても同じように、「これまでの自分」という「枠」に囚われない思考力や姿勢を身に付けている人ほど実力が伸びます。海外の教育機関で学んでいたと言っても、帰国生の多くは日本語を母語としており、言語学的な距離が大きく開いているとされる欧米系の言語を習得するには母語と異なる様々なルールや知識を理解することが求められるということを考えれば、これは当然の帰結だと言えるでしょう。

人が生きていく間には、「これまでの自分」という「枠」を超えて物事を考えなければならないということはいくつもあり、自分や周りの人の人生に重要な意味を持つ決定をする場面はその一つです。そのような場面で「落ち着いて」とか「しっかりと時間をかけて考えた方がいい」という声をかけられたという体験がある人は少なくないと思います。これは、精神的に安定した状態で自分の直面する問題に向き合うことができなければ思考における視野が狭いものになってしまうという人間の性質を示すものだと考えられます。

このようなことを踏まえると、小論文試験に向けた学習や英語運用能力試験の対策は学習者の精神状態をできるだけ安定したものにできる環境で行うべきということになるはずです。

この点、予備校や塾を含めた多くの日本の教育機関では、大人数制の授業を行う中で「レベル別クラス」という名の「競争的な環境」を与え一部の生徒を優遇することによって生徒の学習意欲を引き出すという形が取られています。また、「専門性があるスタッフが揃っている」として、授業を担当する教師と小論文などの答案の添削者、そして日々の学習や進路のあり方に関する相談に対応する職員などの役割分担をする分業制を採用しているのが普通です。

しかし、そのような環境では、授業におけるコミュニケーションが教師から生徒へという一方向に限定され生徒の多くが学習に消極的な姿勢で臨むことになるだけでなく、競争が学習者に強いストレスを与えることが以前から指摘されてきましたし、テストなどで良い成績を残した人でも「いつ自分が今享受できている充実した環境を奪われることになるのか」というような不安を抱えることにもなります。また、学習者に対するアドバイスも一人ひとりの学習状況や適性を踏まえた形にすることは難しく、学習目標やそれを達成するためのプロセスについてのものも極めて抽象的なものにならざるを得ません。

SOLの帰国生大学受験セミナーは、日本の教育機関で広く見られる問題点を克服し、帰国生入試やAO入試において多くの人が自分の能力を最大限活かすことができるように落ち着いて準備を進めることが可能な環境を作ることを目指しています。

例えば、グループ指導では定員を16名とし、志望する大学や学部・学科によって受講する授業が違うことはあるものの、習得度を確認するテストなどによる「レベル分け」は一切行いません。また、2名の教師が授業だけでなく、小論文や英語エッセイ、志望理由書の添削、日々の学習や進路についての相談、面接試験の対策といった受験に向けたサポートの全てを行いますので、一人ひとりに対して学習上の課題を具体的に示すことができますし、教師と生徒のいる空間に仕切りがありませんので、日々の学習の中で抱いた疑問なども早い段階で解消することができます。

これから、今までの日本社会を60年ほど支えてきた社会制度の見直しが必要になる上に、グローバル化などによってこれまで経験したことのない問題が多く生じると言われます。そのような時代に個人として充実した生活を送るためには、「これまでの自分が作り上げてきた枠」を超え、自分の思考の範囲を積極的に広げていくことが必要になります。大学受験という社会に出る直前の段階で、SOLの帰国生大学受験セミナーで学ぶことによって、より多くの人が満足できる受験結果を修めるだけでなく、その後の人生の糧になるものを得ることができればと考えています。


さて、今週のグループ指導(南半球の高校生を対象としたものは終了したのですが、今年度の受験生のものは2月後半まで続きます)についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染者が増加するペースが徐々に下がってきたものの、まだ警戒すべき状況が続いていると言われています。ただし、現在、教室に通っている人は自転車を使っていたり、教室の周りに居候先を見つけたりしているので、先週までと同様の形で行いたいと考えています。また、個別指導や個別面談は、公共交通機関を使わずに教室に来ることが可能な場合は対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。よろしくお願いいたします。

【個別面談お申込みフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form2.html

それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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