京都大学の外国学校出身者のための選考について ―帰国生大学入試についてvol. 287―

(2021年2月12日 14:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、例年2月の一般入試と同じ時期に行われる一橋大学の外国学校出身者選抜の特徴をお知らせしました。この大学は首都圏に設置されている日本の中核的な大学の一つであり、社会科学系の学問を主に取り扱っていますが、この帰国生を対象とした入試では英語試験の出来が合否に大きな影響を及ぼします。難関国立大学の英語試験でよく見られる形式である様々な角度から英語運用能力を測るものになっていますので、英文和訳や文法・語彙問題の対策にしっかりと時間をかけた方がよいでしょう。

さて、今回は日本の国立大学の中で最難関の一つとされる京都大学の経済学部や法学部で実施されている外国学校出身者のための選考を取り上げたいと思います。この大学について説明は不要かもしれませんが、文系・理系を問わず幅広い学問領域をカバーしている総合的な大学で、教員に様々な問題を独特なアプローチで追究している人が多いなど、学生一人ひとりが自由な学風の中で関心を持っているテーマについて考察を深めることができる環境があるようです。SOLの生徒でこの大学に通う人の中には、教室に受験を考えている人がいると聞くと、「直接会って(今年はzoomになりました)その魅力を伝えたい」というメッセージをくれる人もいます(京都という1000年以上存続する都市に住むという体験も非常に心地のよいものであるとも聞いています)。

この入試では、出願手続きの段階でTOEFL iBTや大学入学資格を取得するための統一試験(もしくはそれを目的とした教育課程)の成績の提出が求められます(後者については、「そのような試験などがある教育制度で学んだ場合」とされていますが、例外的な場合を除いては全ての合格者が提出していると思われます)。これらは合否を判定する過程が2段階に分かれている経済学部では第一段階の書類審査の合格者を選定するために用いられますし(TOEFL iBTのスコアは第二段階の判断材料の一つにもなっています)、法学部では出願手続き時に提出したものと筆記試験の出来を合わせる形で選考が行われます。

日本で最も難しいとされる国立大学の一つの入試ですから、これらはどちらとも高い水準のものであることが望ましいと考えられますが、TOEFL iBTのスコアについては90台中盤の人でも経済学部に合格をしています。また、大学入学資格を取得するための統一試験を国や州が実施する形式になっていない地域でも、その現地校で採用されているカリキュラムが事実上国や州の統一試験を経てディプロマを与えられるものと同等であることを大学側に説明できれば出願資格を与えられることがありますし、高校3年間の成績が良いものであれば合格する可能性もあります(ニュージーランドの高校のように最終試験の成績に関する書類が手続き期間内に届かないことがある場合でも柔軟に対応してくれるケースがあるようです)。

さらに、大学側はSATとIBディプロマしか志願者の中等教育での習熟度を測る尺度を持っていないため、カナダのノバスコシア州のように教育課程をIBディプロマコースと比較できる形で編成・公表している地域であれば、成績を正当に評価しやすい(そのため、高い成績を持っていれば確実に書類選考を突破できる)ようです。

以前は、筆記試験について経済学部は独自に作成した日本語読解・説明問題を、法学部は理系学部で一般入試において実施される国語試験の現代文の問題を、というように2つの学部で異なる問題を出題していましたが、現在は経済学部が法学部の方針に合わせた形になりました。例年、2つの文章が出題され、それに関する複数の説明問題に取り組むことが求められており、問題文一つ一つはそれほど長いものではないものの、その内容は言語・意識に関する抽象的なものを含んだり、過去の感情的経験や思索がないと文脈を正確に辿るのが難しいものであったりするため、記述式という形式で回答するには力量が必要です。また、解答の字数指定がないため、解答欄の大きさを踏まえてどれくらいの長さの答案を書くのが適当かという感覚を過去問の演習を繰り返すことで身に付けておくことが望ましいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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