3月15日から3月19日までの個別指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 146―

(2021年3月15日 18:05)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、日本の大学の帰国生入試やAO入試において第1志望の大学に合格しているのにその後も受験を続ける人がいるという話を取り上げました。一般入試のような「繰り上げ合格」の制度がないこれらの入試では、このような行動は他の受験生の進路に対して大きな影響を及ぼしますので、少なくとも黙認するという姿勢を取る予備校や塾には教育機関としての責任感が欠如しているように思います。

僕がこの問題について厳しい評価をする背景には、日本の若者の自己肯定感が他国の同年代の人々に比較して低いということがあります。例えば、以前に公表された内閣府による13歳から29歳の若者の意識や意欲に関する調査では、「自分自身に満足しているか」という問いかけに対して肯定的な答えをした人の全体に対する割合がアメリカでは86%、イギリスでは83%、韓国では71.5%であったのに対し、日本では45.8%でした。その上、13歳から15歳までの層では62.5%であったのが、年齢が上がるにつれて徐々に低下し、20歳から24歳までの層では37.4%になります(違う調査によれば、小学6年生から中学1年生になる間に自己肯定感が低い人が増加する傾向が見られるようです)。

このような現象には様々な要因が考えられるようですが、その一つに挙げられるのが日本の子どもの多くが早い時期から学力に関する競争に放り込まれているということです。そこでは、学校や塾などにおいて入学・入塾の時点、もしくは繰り返し行われる試験での成績で順位付けがなされ、学力が高いと評価された生徒に対して優先的に教育的なリソースが配分されます(高校では「特進コース」と呼ばれるプログラムを設け一部の生徒を優遇するという動きが見られます)。与えられる教育的なリソースに差があるために、徐々にいわゆる「勝ち組」と「負け組」が固定化され、後者に分類される生徒は教育機関で評価される機会もほとんどない上に、家庭でも叱責されることが多くなることで、学ぶことに消極的な姿勢を見せるようになり学力がさらに低下するという悪循環に入り込むということになります。このような流れの中で自己肯定感が低い若者が多く生み出されるというのは不思議な話ではないと思います。

そして、このような傾向に合わせるかのように、上で述べた調査では日本の若者の「うまくいくかわからないことに対して意欲的に取り組む意識」が他国の同年代の人に比べて低いということが指摘されています(全体の80%前後の国が大半である一方で、日本は52%です)。先日、ラジオを聞いていたらある大学の教員が「これまでの日本は人口増加に伴う成長を前提とした社会システムを採用してきたが、これからはその前提が崩れるため皆で知恵を出し合って新しいシステムを構築しなければならない」という話をしてしましたが、そのような状況において次の世代の主役となる若者の意識についてこれまでに述べたような傾向が見られるのは望ましいこととは言えないはずです。また、そうでなくても10代後半から20代中盤にかけては(例えば、帰国生入試やAO入試を受験する人が日本語の小論文を書くのに取り組まなければならないように)新たなチャレンジをしなければならないことが少なくありません。

このようなことを踏まえると、少なくとも教育機関の社会的な使命の一つは、できるだけ多くの子どもの自己肯定感を高めたり、何かに挑戦する意欲を引き出したりすることがではないかと僕らは考えています。そのため、第1志望の大学の合格をした人が他の受験生の自己肯定感を低下させるような行動をするのは止めるべきということになりますし、それを黙認したり推奨したりする予備校や塾に対しては厳しい評価をせざるを得ないということになるのです。

さて、今週の個別指導や個別面談についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染者の減少ペースが鈍化しており、再び増加し始めたという報道もあります。そのため、公共交通機関を使って教室に来る人については、ターミナル駅を使わない場合は対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。よろしくお願いいたします。

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