帰国生入試の出願資格を得るための条件について(7)―帰国生大学入試についてvol. 304―

(2021年6月25日 11:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、日本の大学が帰国生入試で出願資格を与える条件の一つとすることがある「高校卒業から出願手続きもしくは大学入学までの期間」を取り上げました。このような条件を入れている大学の多くはそれを2年とすることが多いので、北半球の高校を卒業した場合では、その直後に受験をしなくても一定数の志望校を確保することが可能ですし、一部の大学のように「出願手続き期間まで1年」としているところでは南半球の高校に在籍している人が卒業の翌年にも受験できるということになります。

さて、前回取り上げた早稲田大学の帰国生入試における出願資格を認める条件の中には以下のようなものが入っています。

4.過去に当学帰国生入学試験の受験歴がない者

入試要項では、この条件が見落とされることが多いのか、その後の【注意】でも始めに「帰国生入学試験への出願は1回に限ります」という文が記載されています。同じような条件は慶應義塾大学の帰国生入試でも見られますが、それは次のようなものです。

1.共通条件
⑥過年度に出願していない者


このように、帰国生入試への出願は1回に限定される大学がある一方で、例えば上智大学の海外就学経験者入試のように受験回数に関する制限がないものもあり、SOLにも「同じ大学を2回受験しても問題がないのか」といった教育相談のメールなどが送られてくることがあります。

それに対して僕らが送っている答えが「2回目の受験は可能であり、それによって合格可能性が低くなる訳ではないが、英語運用能力試験の成績のように1度目の受験の時点から改善が期待できるもの(高校での成績などは変えようがありません)はできるだけ高めておくことが必要だし、小論文試験に対応する能力も同様です」というものです。特に、同じ学部・学科を受験する場合には、前年度に提出した書類や試験結果が大学側にあるので、1年という期間を経て何らかの形で大きな成長を遂げていることをアピールすることが必要だと思います。

ある年の帰国生入試の受験で大きな成果を収められなかったとしたら翌年再挑戦することを考える人が増えてきたような印象がありますが、そのような判断をする際には上で述べたような回数に関する制限が志望している大学や学部・学科にないかについて確認することが必要ですし、それが認められている場合でも受験準備をしっかりとしたプランに沿う形で進めていかなければならないことを頭に入れておくべきでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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