青山学院大学文学部英米文学科の自己推薦入試について ―帰国生大学入試についてvol. 347―

(2022年11月25日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、青山学院大学の文学部日本文学科や法学部ヒューマンライツ学科、国際政治経済学部の各学科で実施されている海外就学経験者入学者選抜の概要を紹介しました。文学部日本文学科では現代文や古文の問題を解いていくのが対策になる一方で、それ以外の学部・学科の合否判定においては英語やその他の言語の運用能力試験の成績が重視されることや、小論文試験で他の大学ではあまり見られない自分でトピックを提示する形式の問題が出題されることに注意が必要です。また、海外に保護者の仕事の都合で渡航した場合には企業などに作成してもらう書類が必要になることも入試要項で確認すべきです。

さて、この大学は一般的に英語教育が優れたものであるという評判があり、「英語の青学」と呼ばれることもあるそうですが、文学部英米文学科で自己推薦入試を行っており、学科が指定する英語運用能力試験で一定の水準以上の成績を修めた人に出願資格を与えています。この学科は、上智大学で言えば外国語学部英語学科と文学部英米文学科を合わせたものであり(文学部と外国語学部が分かれていないところには共通して見られる特徴です)、3年次からはアメリカ文学やイギリス文学、英語学、英語教育学など主に扱うテーマが決まっている6つのコースに分かれて専門的な学習をすることになります。国際政治経済学部の国際コミュニケーション学科と研究領域が重なっている部分が大きいため、海外就学経験者入学者選抜などでそこを受験する人が併願することの多い学科です。

文学部英米文学科の自己推薦入試は2つの段階で合否が判断されることになっており、第一次審査は学科が指定する英語運用能力試験の成績を踏まえて通過する人が選ばれます。どのようなものを出願手続き時に提出すればいいのかについては、英語圏の国や地域にどれくらい滞在したか、どのような教育機関で学んだ経験があるのかといったことによって水準が変動している可能性が高いですが、多くの場合、TOEFL iBTで95、IELTSで7.0というラインを超えることができれば、この段階で不合格になることはほぼないと考えてもいいと思います。

また、第二次審査では日本語と英語によるエッセイライティングと面接試験の出来がその対象とされますが、第一次審査を通過していれば、英語のエッセイを書く際に基本的な単語のスペリングを繰り返し間違えるといった基礎的な学力に問題があることに疑問を抱かせる事情がある、もしくは志望理由として述べたことと学科が提供できるものの間に大きなズレがあるという印象を与えてしまうことがない限り、不合格になった人はSOLの帰国生大学受験セミナーからは一人も出ていません。その意味では、この入試では英語運用能力試験の成績が大きな役割を担っていると言ってもいいかと思います。

青山学院大学文学部英米文学科の自己推薦入試の出願手続き期間は例年、8月後半もしくは9月初めから9月中旬に設定されています(今年度は9月1日から9月15日まででした)。英語運用能力試験の成績を証明する書類は基本的に原本であることが求められていますが、TOEFL iBTの場合は大学への直送も認められていることを入試要項で確認しましょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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