今から帰国生入試やAO入試に向けて準備すべきことについて(2) ―帰国生大学入試についてvol. 312―

(2022年2月25日 17:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、海外の高校を卒業予定であるか否かに関わらず、この夏に日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験を控えている人がこの時点で取り組むべきと考えられるものをいくつか挙げました。その中で多くの人にとって最も優先度が高いのがTOEFL iBTやIELTSといった外国語運用能力試験の対策です。

これは他の記事でも何度か述べたことではあるものの、SOLに送られてくる教育相談のメールなどを見るとまだ十分に理解されていないようですので、ここでも繰り返しておきたいと思いますが、帰国生入試やAO入試でよりよい成果を収めるためには外国語運用能力試験(その中でも英語運用能力試験)で一定の水準を超える成績を出しておくことが必要になります。また、それは北半球の国の高校に通う人であれば、高校卒業後に受験準備に本格的に取り組む前である6月後半までに達成できるのが望ましいです。

もちろん大学と一口に言っても社会的な評価については様々なものがありますし、外国語運用能力試験の成績の提出を求めない、もしくは上智大学の一部の学科のように合否判定の際にそれを重視しないところは少数ではありますが、確かに存在します。しかし、少なくとも例年出願する人が多く競争が厳しい首都圏の有名私立大学の帰国生入試やAO入試の受験を考える場合には、TOEFL iBTやIELTSなどで外国語運用能力が海外での生活の中で順調に伸びていると評価されるような成績を取っておかなければ、日本語小論文試験の対策をどれほど懸命にやっても、合格が期待できる大学や学部・学科の幅が非常に狭いものになってしまいます。

そして、多くの大学は7月から9月上旬にかけてこれらの入試の出願手続き期間を設けていますが、日本の高校が所定の形式で作る書類を提出してしまえば手続きが完了する一般入試と違い、帰国生入試やAO入試は様々な教育制度で高校卒業資格を得た人が出願するために、入試の担当者が必要な書類が揃っているのかという点などで混乱に陥ることがあります。その結果、受験生の方でどれだけ慎重に書類を作成したとしても、手元にあるものとは異なるものを新たに作成するよう求められるといったことが起こり、その対応に時間と手間を費やさなければならないケースも見られます。

それに加えて、外国語運用能力試験の成績証明書が発行されるには時間がかかりますし(TOEFL iBTであれば少なくとも4~5週間は見ておいた方がいいですし、IELTSでも1週間はかかります)、ほとんどの入試では日本語小論文試験の出来も合否の判定の材料となりますが、受験準備を本格的に始める前の学習状況にもよるものの、SOLの帰国生大学受験セミナーのように少人数制で、授業の内外で自由に質問ができ、小論文の書き直した答案をすぐに添削してもらえるような環境でも、十分な内容がある小論文を書けるようになるには2ヶ月間くらいじっくりと学習に取り組むことが必要になります。

このようなことを考え合わせると、受験をする年の6月下旬までには外国語運用能力試験の成績に関して求められる水準に達していることが望ましいということになるのです。

それでは、次回は受験者の多いTOEFL iBTやIELTSでどの程度の水準の成績が必要になるかといった点などを確認したいと思います。なお、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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