現在の教室の状況について(2022年2月7日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 174―

(2022年2月7日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回までの2つの記事では、日本の大学の帰国生入試やAO入試の中には、入試の実施のあり方や大学や学部・学科が合否の判断の際に重視するものから、受験生のサポートにおいて分業制を採る予備校や塾でも合格するのに必要なものを推測できるものがあるということを述べました。ただし、問題は、特に外国語運用能力試験の成績を事前に提出し、小論文試験や面接試験の受験を求められるものの場合、その数が多くないことにあります。

上のような形で入試を行うものでは、TOEFL iBTやIELTSなどの外国語運用能力試験の成績と小論文試験の出来を合否の判断の材料とするのが一般的です(今後の記事でも述べますが、多くの大学や学部・学科では、面接試験は受験生が大学生活に馴染めるか、志望理由書を本人が書いたのかといった点を確認するだけで、合否に大きな影響を与えることはありません)。そのため、TOEFL iBTやIELTSのスコア、もしくは高校や大学入学資格取得のための統一試験の成績が高い人から自動的に合格が決まっていくという結果にはなりません。

例えば、今年度の生徒で中央大学商学部の英語運用能力特別入試に合格した人がいますが、彼のIELTSの最終的なスコアは6.0でした。しかし、彼と留学エージェントが同じ友人の中には6.5というスコアを出願手続きが始まる時点までに取得できたにも関わらず不合格となってしまったというケースが見られると聞いています。志望理由書の内容や面接試験における試験官の反応にも大きな違いはなかったようですので、小論文試験の出来によって立場が逆転したと考えられます(この生徒は、教師に授業内外でいつでも質問ができ、小論文の答案を書き直したものを何回でも添削指導を受けられるといったSOLの帰国生大学受験セミナーの特徴を最大限に活用し、昨年の夏から秋にかけての時期に小論文試験に対応する能力を大きく伸ばすことができた一人です)。

また、私立大学の社会科学系の学部では最も充実したプログラムを持つ早稲田大学政治経済学部が実施しているグローバル(海外就学経験者)入試では、面接試験において事前に提出した活動報告書の内容を自分で考えたか、日本語運用能力が大学での学習に耐えられる水準にあるかといった点が確認されるのみですので、TOEFL iBTやIELTSのスコアと日本語での読解論述試験の出来で合格者が選抜されることになります。今までこの教室で学んだ生徒からはTOEFL iBTが80台前半で合格した人が出ている(以前は60台や70台で合格した人もいましたが、ここ数年で海外の教育機関における在籍期間に関する条件が出願資格の中に入りましたし、英語で行われる授業が増えましたので、合格者に求められる英語運用能力の水準も上がったのではないかと考えています)一方で、100を超えていても不合格になる人もいます。

この入試の読解論述試験では、比較的内容が理解しやすい問題文が出題された2年を除いて、読解することが求められる文章が帰国生が受験する私立大学の文系学部の入試の中で質量ともにトップクラスにありますし、説明問題も関係がありそうなものがどこにあるかを自分なりに考えることが求められます(それに加えて、以前から図表の分析や作成をする問題が出題されますし、最近のカリキュラムの変更に伴って数学的な思考力も問われるようになりました)。このような試験でよい出来と評価される答案を作成するには読解力や文章構成力など様々な側面で高い日本語運用能力が必要になり、受験生によってどれくらいの得点を取ることができるかについて大きな違いが見られるはずです。そして、実際にこの教室の生徒で合格した人は、日本語での読解論述試験で出題される一つ一つの問題に対応する力を十分に高めることができた人です。

帰国生入試やAO入試で最も多い外国語運用能力試験の成績と小論文試験の出来を組み合わせて合否を判定するものでは、分業制を採る予備校や塾でも前者に関する最低限の水準を把握することはできると思います。しかし、その正確な全体像を掴むためには、受験生一人ひとりの小論文試験に対応する能力がどのようなものかについての理解を持つ必要があるのです。

さて、先週の週末にICUの一般入試の学科試験が終了しました。幸いなことにこの教室で学んでいる人は新型コロナウィルスに感染することなく無事に受験することができましたが、今後も何らかの症状が出た人にはPCR検査を受けてもらうなど、感染対策をしっかり行っていきたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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