現在の教室の状況について(2022年3月14日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 180―

(2022年3月14日 18:45)

こんにちは。SOLの余語です。
3月7日の記事では、例えば上智大学外国語学部英語学科の帰国生入試のように、一般的に英語運用能力の高低のみが重視されるというイメージを抱かれることが多いものでも、それだけではなく英文和訳問題などの回答の中で示される日本語運用能力も合否に強く関係している事例が見られると述べました。このようなことも、我々のように受験準備のあらゆる面をサポートしているから分かることだと思います。

少し話が横道に逸れてしまいましたが、ここまでの記事で確認できる通り、ほとんどの帰国生入試やAO入試では、出願手続き時に提出する外国語運用能力試験の結果と小論文試験の出来を合わせる形で合否の判断を行います。また、小論文試験は受験者の学力を様々な側面から試すものであり、例えば、日本語運用能力一つとっても問題文を正しく読解できるか、自分の考えを適切に表現できるか、年齢相応の語彙の蓄積があるか、表記の面での問題はないかなどといった点が評価の対象になりますので、それを(少なくとも統一化された規格に基づいて)数値化するのは難しいということになります。

その結果、受験に向けたサポートについて分業制を採る一般的な予備校や塾の進路指導を担当する職員にとって、一つ一つの大学や学部・学科が実施する帰国生入試やAO入試に合格するのに必要なものを正しく把握することは難しいものになります(授業を担当する教師も、実際に答案を添削する機会はほとんどないため、同じことが言えるかもしれません)。このような状況では、どのような大学や学部・学科のものを受験するかについての相談を受ける際に、生徒のその時点での小論文試験に対応する力や授業を受けることによって期待できる伸びしろなどは考慮に入れず、主に外国語運用能力試験の成績など数値化できるものに注目し「合格者の最低スコアはどれくらいだった」、「どれくらいの水準であればこれくらいの確率で合格できる」というような話しかできなくなってしまうのではないかと思います。

一般的な予備校や塾では、一人の受験生がそこで学ぶものに関連性が見えない形で数多くの大学や学部・学科で行われる入試に出願することがよく起こるという話を耳にすることがあります。もちろん、これには日本社会では大学で何を学んできたかよりもどの大学を卒業したかが重視される傾向があり、どの学部・学科でもいいから有名な大学に入りたいと考える人がいることが関係しているでしょうし、生徒の合格実績が主な宣伝材料となるため、それがより充実したものになる機会を逃したくないという予備校や塾の思惑(このような考えが窺われる事例があることを今年も聞きました)があることも指摘できるでしょう。

ただし、実際に受験生のサポートを長年やってきて思うのは、TOEFL iBTやIELTSのスコアが高く日本語運用能力や思考力に問題がなくても(もしくは、少なくとも大きく伸びることが見込まれる場合でも)、帰国生入試やAO入試を受験する際には「本当に良い大学に入れるのか」という点に不安を抱いている人が少なくないことです。一方で、これらのものに関して十分な水準に達していないにもかかわらず、インターネット上に流れている情報や先に受験した人の話を聞いて(受験に関する情報に全くふれていないというケースも見られます)、自分には有名大学の進学について様々な選択肢があると考えている人もいます。

こういった傾向を見せる受験生が上で述べたような進路指導を受けた際に、「ある大学の合格可能性について(確率を示されただけで)確実なことは言われていないので、受験する入試を増やしておこう」、もしくは「外国語運用能力試験で最低限のスコアは超えているので合格する可能性があるかもしれない」と考えて、出願する大学や学部・学科の数を増やしていくことがあるのではないかと思います。

さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスに感染したことが新たに判明する人の数が減少してきており、僕らが3回目のワクチン接種が終わったこともあって、OBOG会の活動なども少しずつ活発なものになってきました。しかし、東京都はそこに住民票がない人を感染者にカウントしていないなど、感染状況が正確に把握されているかに疑問符が付く情報もありますので、今後も感染対策に力を入れていきたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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