TOEFL iBTやIELTSを受験するための学習の進め方について(20) ―英語学習の勧めvol. 189―

(2022年4月1日 19:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、TOEFL iBTやIELTSのReadingで出題される文章の中に見られる文の構造を正しく把握するために前後の文の内容や文章全体のテーマから推測する力が必要になる場合があることを説明しました。TOEFL iBTやIELTSのReadingでは様々な要素が入り組んだ長い文(このようなものが多いことが英語の学問的な文章の特徴の一つです)を読むことを求められることを考えると、そのような力を伸ばすことは重要な学習課題だと思われます。

さて、SOLのTOEFL iBTやIELTS対策の授業では、Readingの問題文の中にある構造が複雑な文をいくつか選び出して和訳をしてもらうということがあります。その目的の一つは、英語の文の構造を正しく把握するために必要な文法事項の内容を確認し、それを活用する経験を蓄積してもらうことです。また、日本語運用能力が年齢相応な水準まで高まっていないケースでは、それを伸ばすための試みとして訳した文が日本語として自然なものになることを意識して練習に取り組んでもらうこともあります(上智大学の外国語学部英語学科のAO入試を受ける人にとってこのような取り組みが受験対策にもなります)。

それに加えて、日本語を母語とする人にとって、英語の文章を読む時に前後の文の内容などから多くの意味がある単語がある場所ではどのように使われているかや、一つ一つの文がどのような構造になっているかを正しく考える力を伸ばすのにも、英文を和訳するのは有効な方法です。それは、英語を日本語に置き換えたものをノートなどに書いてそれを基に作業を進めた時の方が「どのような文の流れになるのが自然なのか」ということを考える際に学習者にかかる負担が少なく、そのような取り組みにしっかりと注力できることが関係しています。

このような観点からも、TOEFL iBTやIELTSのReading対策では、そこで用いた教材にある文を和訳するという形で復習をするのが望ましいと言えるでしょう。ただし、これらの英語運用能力試験で出題されるものを実際に目にしたことがある人なら分かると思いますが、Readingの文章一つ一つは多くの文で構成されています。それらを全て日本語にするのは時間と手間を要するので、継続的に学習を行うことを考えると非効率的なものになる可能性が高いです。そのため、このような取り組みの目標を実現するために必要なものだけに範囲を絞ることも重要であり、それが自分でできないという人は海外の教育機関に在籍している人の英語学習のサポートの経験が十分に蓄積されている人の手助けを受けるのがよいと思います。

それでは、TOEFL iBTやIELTS、TOEICなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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