現在の教室の状況について(2022年4月11日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 184―

(2022年4月11日 19:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、一般的にTOEFL iBTやIELTSといった外国語運用能力試験の成績と小論文試験の出来で合否が決まる帰国生入試やAO入試の受験に向けたサポートにおいて、一つひとつの大学や学部・学科において求められているものを正しく把握する機会がないことが、学習の中で優先すべきものの判断を誤ったものにする可能性があることを説明しました。小論文試験の準備に専念すべきタイミングで、外国語運用能力試験の対策に時間を使うことは合格可能性を低いものにする恐れがあります。

さて、小論文試験に向けた授業を担当し、生徒が書いた答案を添削していると、帰国生入試やAO入試の中には他の大学や学部・学科と重視しているものが異なるものがあることが分かります。例えば、昨年度で廃止されることになった早稲田大学社会科学部のグローバル入試は、海外の高校に在籍した経験がある場合、TOEFL95もしくはIELTS7.0というラインを超えると、後は小論文試験にどのように対応したかで合否が決まるものでした。

小論文試験において、問題文は新聞に掲載された社会問題に対して学者が寄せたコメントのようなものが中心で、それを要約した上でそこで取り上げられたトピックに関する自分の考えを述べることが求める問題が出題されていました。ある年にこの教室で学んでいた何人かの人が受験したのですが、要約の出来は大きな差がないものでしたし、展開した主張の方向性もほとんど同じものだったのですが、それを最後までスムーズに読み終えることができる形で表現できるだけの日本語運用能力を持っている人だけが合格しました。

このようなことを書くと、「日本語で文章を書く試験なのだから、日本語運用能力が高い人が合格するのは当然だろ」と思う人もいるかもしれませんが、実際はそれほど単純なものではありません。生徒の答案を添削していると、日本語での表現に関わるミスを完全になくすことが難しいことが分かります。小論文の内容に問題がない時にそれをどこまで許容するかは大学や学部・学科によって異なりますし、表現の面でたどたどしさや複数の誤りがある場合でも内容が練れたものになっていれば合格できるものも少なくありません。

それを踏まえると、生徒がどの入試を受験するかによって、小論文試験の対策の中で何に重点を置くべきかについてもアレンジを加えなければいけないということになるのだと思いますが(実際に、上で挙げた早稲田大学社会科学部のグローバル入試に向けた準備においては、問題文が問題なく読解できて、それに合わせた主張が形成できるようになった生徒には、要約の練習に加えて、引っかかるところなく読み通すことができる文章を書くための指導だけを行っていました)、それは、大学受験をする人のサポートする場においてカリキュラムを作成したり学習の方針の指導をしたりする人が授業や答案の添削を担当することによって初めて可能になるものだと思うのです。

さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスに新たに感染した人が前の週よりもわずかではありますが増えている日が多くなってきました。東京都によれば感染力が強い新たな変異株が広がっているようですし、実際に感染したOBOGの話を聞くと後遺症が残ることも少なくないようです。そのため、引き続き教室内での感染対策をしっかり行っていきたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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