日本に帰国する前に揃えておくべき書類などについて(2) ―帰国生大学入試についてvol. 325―

(2022年6月24日 16:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、海外の高校を卒業し帰国生入試やAO入試を受験する際に高校に作成を依頼しなければならない書類として、卒業証明書(certificate of graduation)や在籍期間証明書(certificate of attendance)、成績証明書(transcript)の3つを挙げました。これらの書類が大学の指定する形で準備できていれば、多くの入試の出願手続きで問題が起こることはないと思います。

日本の大学では、帰国生入試やAO入試を含めた全ての入試において、基本的に出願手続き時に提出する書類が原本であることを求めています(ここ2年は、国際基督教大学(ICU)などが新型コロナウィルスの感染拡大に伴いオンラインでのデータの提出を認めていましたが、例外的な措置と考えた方がよいです)。前回の記事で紹介した書類に関しては、学校長のサインが直筆で入っている、もしくは学校印が直接押されていることが原本であることを証明するので、日本に帰国する前に高校が作成したものにこのようなものがあるのかを確認するのがよいと思います(成績証明書が学期や学年ごとに分かれている場合は念のため一つ一つのページに学校印を押してもらいましょう)。

また、複数の大学や学部・学科を受験するのにこれらの書類を1通しか持っていない場合には、出願手続きが終わる前に大学の入試を担当する部署や大使館などに行き、そこで書類のコピーを取ってもらった上で原本の写しであることを証明してもらわなければならなくなります(「原本証明」と呼ばれる手続きです)。小論文試験や英語運用能力試験の対策にできるだけ時間を使いたい時期にいろいろな大学に行ってこのような手続きをするのはネガティブな効果を持ちますので、これらの書類は受験する予定の入試の数によって5~10通作ってもらった方がよいと思います。さらに、これらの書類が厳封(sealed、書類が入った封筒を糊付けし、そこに学校印を押してもらった状態)してあることを求める大学は少数ですが、全ての書類を1通ずつそのような形にしておいたもらった方が後で心配がいらないかもしれません。

なお、在籍証明期間の証明書の作成の仕方について一定の条件を設けている入試があることに注意が必要です。例えば、上智大学の海外就学経験者(帰国生)入試では、大学のホームページでダウンロードをすることができる所定の用紙で作成することが求められていますし、青山学院大学国際政治経済学部や法学部ヒューマンライツ学科で実施されている海外就学経験者入試に保護者の仕事の関係などで海外に渡航することになった人が受験する場合には、保護者が勤める企業などに大学所定の用紙(大学のホームページでダウンロードできる入試要項に入っています)を使って海外に滞在していた期間などの証明書を作成してもらわなければなりません。このような点を各大学や学部・学科の入試要項を見る時に確認するようにしましょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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