早稲田大学の帰国生入試について ―帰国生大学入試についてvol. 329―

(2022年7月29日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
今年も7月の終わりとなり、首都圏の有名私立大学を中心に数多くの帰国生入試や海外の教育機関に在籍した経験のある人が出願することが多いAO入試が実施される時期が近づいてきました。今回は、その中でも出願手続き期間や筆記試験が行われる日程が最も早い早稲田大学の帰国生入試の概要を紹介したいと思います。

この入試では以前、この大学のほぼ全ての学部が学生を募集していました。しかし、その後、学部独自のAO入試(現在ではグローバル入試という名前になっています)のみを実施するようになった政治経済学部を始めとして、文学部や文化構想学部、社会科学部などが募集を停止したため(この入試は全ての学部を併願できるだけでなく、合格者に関する学部間の調整がなされないため、合格者が一部に偏ってしまい、入学する人がいないところがあったことがその理由の一つだと考えられます)、現在では文系学部に限定すると、法学部や商学部、教育学部の各学科だけが選択肢になっています。

合否の判定は、通っていた高校が採用する教育制度における大学入学資格を取得するための統一試験の成績や推薦状を提出しなくてよいことから分かる通り、書類審査などはなく、TOEFL iBTやIELTSなどの成績(法学部はドイツ語やフランス語の運用能力試験でも受験できます)と筆記試験の出来を基に行われます。筆記試験については、法学部と教育学部の文系学科が国語と小論文で受験ができ、商学部では小論文と文系数学となりますが、例年、これらの問題には難易度に関して偏りがあるため(例えば、小論文は学部を横断したテーマが出題されるためそれほど難しくないことが多いのに対し、国語は一般入試を同様の形式で一定の準備期間が必要なものになりますし、文系数学で出題されるものは理系学部を受験する人にとっても難しく感じられるものであることが多いようです)、英語運用能力試験の成績で合否が決まる場合が多いと思われます。このような状況を踏まえると、TOEFL iBTであれば95、IELTSであれば7.0以上といったスコアを取っておくことが望ましいでしょう。

出願手続きは例年、6月の終わりから7月の始めに設定されていますが(今年は6月30日から7月7日で、書類は締切日に必着とされています)、提出する書類は基本的に出願資格を満たしているかを確認するだけのものがほとんどですので、それほど注意すべき点はありません。ただし、TOEFL iBTやIELTSといった外国語運用能力試験に関しては、大学が成績証明書を受理するための条件としていつ受験したのかという点についてのものがありますし(通常、受験する前の年の10月から翌年の5月にかけてです)、その提出の仕方や提出が求められているものが試験によって異なります(例えば、TOEFL iBTの場合はOfficial Score ReportをETSから直送した上で、直送を手配したことが確認できるものとTest Taker Score Reportのコピーをプリントアウトして提出しなければなりません)ので、自分が受けているものについての条件を確認した上で、TOEFL iBTやIELTSのスコアレポートについては試験実施団体からこの大学に直送する手続きを忘れず行うようにした方がいいでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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