2023年9月以降に大学入学を目指す人を対象にした夏期の授業について(4)―SOLからのお知らせvol.268―

(2022年8月17日 19:15)

こんにちは。SOLからのお知らせです。
前回は、この教室では学年に関係なく、年末年始と土日を除いた全ての日で個別指導を実施しており、特に北半球の高校が夏休みに入っている時期は、日本の大学の9月入学プログラムへの入学を目指す人のサポートを様々な形で行っていると述べました。これは、この時期以外でもzoomを用いたオンラインでの受講という形の可能ですので、出願手続き時に提出するエッセイで何を書けばいいのか分からないという人などに受講を検討してもらえればと思います。

さて、前回取り上げた個別指導に関しては、今後、時期に関係なくより積極的に取り組んでいきたいと我々が考えているものがあります。その一つが、海外の教育機関で学んでいる人の日本語運用能力の維持、伸長のためのサポートです。現在の日本社会では、グローバル化の影響に加えて、ほとんどの人が日本の教育機関で学んだ経験のみを持っており、母語である日本語の習得を意識的に行ったという感覚がないために、英語の学習にばかり焦点が当てられ、日本語を抽象度の高い文章を読み書きできる水準まで伸ばす取り組みについては話題に上らないのが通常です。

しかし、実際には、日本で学校教育を受けている人の場合、日本語の運用能力を伸ばすための取り組みは「現代文」や「古文」といった授業の中だけでなく、その他の科目でも様々なトピックにふれることで行われます。また、人間にとって母語は同じ国や地域出身の人とコミュニケーションを取るためのものという捉え方をするのが一般的だと思いますが、いろいろなものを見聞きすることを通じて知識を吸収したり、自分の身の回りにある事物や現象についての思考や分析をしたりする際の基盤になるものでもあります。その意味で、母語をどの程度使いこなすことができるかによって、ある人の学力が決定されると言っても過言ではないと思います。

日本語を母語とする多くの人にとって、海外での滞在期間の長短にかかわらず、英語運用能力を上げていく過程は「学び」となります。カナダなどで母語と外国語学習の関係を調査してきたトロント大学の中島和子氏によれば、英語圏の国や地域に渡航した日本語母語話者は、学校内外でのコミュニケーションの中で英語にふれる体験を蓄積し、それを自分なりに分析する形で英語がどのようなルールの下で用いられているのかについての理解を深めていくようです。『言語と教育』という本の中では、例えば会話することに関して、まずはよく使われる表現をそのまま覚えてしまった後で、それらを構成する単語や表現がどのような役割を果たしているのかを考えることによって、自由に文が作れるようになると述べられています(それが文法的に正しいものになるためには、さらに何題階かの考察が必要になります)。

SOLは、主に帰国生の大学受験のサポートを行っている教室ですので、そのブログに海外の教育機関に在籍している期間でも日本語運用能力の維持・伸長の取り組みをすべきと書かれていると、帰国生入試やAO入試の小論文対策の一環として行うものを思い浮かべる人も少なくないかもしれません。しかし、上でも述べた通り、年齢相応に日本語を使いこなせることは外国語の、もしくは外国語による学習を実のあるものにするために重要なことでもあります。そのような理由で、我々は今後、それを個別指導の中心的な内容の一つとしたいと考えているのです。

なお、今回紹介した、2023年9月以降に日本の大学への入学を目指している人を対象とした個別指導の詳細は以下のリンク先で確認してください。
https://www.schoolofliteracy.com/seminar/course4/index.html#c01

それでは、帰国生大学受験セミナーの授業の日程や内容、授業料についてご質問などがある方は以下のフォームよりご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comまでメールにてお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

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