現在の教室の状況について(2022年9月12日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 206―

(2022年9月12日 20:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、日本社会の先行きが不透明になっていることだけでなく、僕がこれまで生活する中で体験してきたことを踏まえても、相互扶助的なコミュニティーが身近にあることは重要なのではないかと述べました。「自分の能力や努力だけで今の生活が成り立っている」と考えている大人でも、これまでの人生を冷静に振り返った時に何らかの人間関係に支えられた経験があるということを否定できないのではないかと思いますが、もしそうであるならば、これから社会に出る人たちに上のような機能を果たすコミュニティーを形成する機会を与えるべきでしょう。

現代社会では、情報技術の発展により、LINEのように気軽に誰とでも連絡できるツールが普及するようになりましたし、FacebookやInstagramといったSNSの機能が高度化し、趣味や関心のある社会問題などに関して共通のものがある人と容易につながりを持つことができる状況が生じていると言われます。僕もFacebookを通じて高校や大学の時にできた友人やこの教室のOBOGと親交を深められていますし、最近携帯電話をスマートフォンにした際にLINEのアカウントを作成したので、その利便性をある程度は理解しているつもりです。このような通信サービスがあれば、それを利用する能力がある人に周りの人がわざわざ人間関係を形成する機会を与える必要性はないのではないかと考える人がいても不思議はありません。

しかし、教室で18、19歳の人たちと長い期間に渡って接していると、新しい情報機器をどのように使うかについて十分な知識を持っているものの、様々な人とコミュニケーションを取ることで関係性を深めていくことに積極的な姿勢を持っているようには見えない人が増えているように思えます。それが自主的に選択した生き方であれば仕方がないとも考えられますし、限定的な生活体験から「スタンド・アローン」的に生きていっても問題ないと思っているのであれば、小論文試験対策の授業で色々な論者が書いた文章を読むことなどによってそれが変わっていくことがあるかもしれませんが、最近は周りの人と強いつながりを持てるようになりたいことを望んでながらも、それを実現するための取り組みには及び腰になってしまう人が多く見られるようになっているのです。

このような現象については、我々と関係のある教育関係の人々やすでに社会人としての経験を蓄積しているOBOGと話す時にトピックとなることが増えましたし、大学の教員が書いている本などを読んでも大きな問題として取り上げられることもあります。例えば、東京都立大学の宮台真司氏はその著書の中で、自分が教えている学生が他人との親密な関係を築くことができず、中には「友達はどのように作ればいいのか」という質問をしてくる人もいるということを述べており、それは彼ら個人の生活だけでなく社会全体にも悪影響を及ぼす可能性があると繰り返し述べています。このようなものを踏まえると、周りの人と支え合いのできる間柄になりたいと考えていながらもそれを実現することができない人が増えているのはこの教室の生徒に特有な問題ではなく、最近の若い人全般に広がるものであるように思われるのです。

さて、東京23区やその近郊では新型コロナウィルスの感染拡大が収まってきたと言われていますが、感染したと言っている人が僕の周りで増えている印象があります。若い人でもずいぶんと重たい症状になることがあるようですので、今後も対策に力を入れていきたいと思います。

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