法政大学グローバル教養学部(GIS)の自己推薦12月入試について ―帰国生大学入試についてvol. 354―

(2023年1月27日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、法政大学の文学部や経営学部で実施されている帰国生入試の概要をお知らせしました。この入試では、出願手続きにおいてTOEFL iBTのスコアの提出だけが認められていることと、小論文試験の問題が自分の主張を形成する際に参考にできる文章が付かない形のものであるため、それに合わせた形で対策を進めなければならないことに注意が必要です。

さて、この大学のグローバル教養学部(GIS)は、首都圏の有名私立大学において、グローバル化が進む現代社会の要請に応えるために英語を主な使用言語としている学部として早稲田大学国際教養学部の次に設けられたものです。設立されてから数年間は、1学年の学生が40人くらいであるのに対して教員が10名以上いるという体制であったために学生の質問などに教員がすぐに対応してくれていたようですが、その後学生の数だけが増えたためにどこまで充実したサポートが受けることができるかは分かりません。また、年間で200以上の授業が行えるとパンフレットには記載されているものの、十分な水準の教員を確保できるのかについての疑問は残りますが、経営学の教員が多くいるようなので、将来、国際的なビジネスに関わりたいと考えている人にはよい学部かもしれません。

この学部では、4月入学者を対象に自己推薦入試を実施しています。この入試で海外の高校を卒業した人が出願資格を得るには、まず学部が指定する海外の教育制度の大学入学資格を得ている必要があります。入試要項で条件を満たすものとされているのは、英語を主な使用言語とするものに限定すると、アメリカのSAT、ACT、ニュージーランドのNCEA、IB Diplomaコースのみで、カナダやオーストラリアの現地校などに通っている人はSATを受験しなければなりません(おそらくこれまで受験した人がこれらの大学入学資格を取得した人だけだったのだと思いますが、不公平な制度設計であることは間違いありません)。

また、出願資格には学部が指定する英語運用能力試験でどれだけの成績が取れているかによって、S資格とA資格の2つのものがあります。S資格を取得している場合には、第1次選考である書類審査において2000字の日本語での志望理由書を提出することが免除されますし(500 wordsの英語エッセイの提出は求められます)、第2次選考では英語による面接試験のみとなり、日本語での小論文試験を受ける必要はありません。受験に向けた準備による負担をできるだけ軽減することを考えるならば、S資格を取得できるようにTOEFL iBTやIELTSのスコアを伸ばすための取り組みをした方がいいでしょう。

この入試の出願手続き期間は10月中旬になります(今年度は2022年10月11日~10月21日でした)。卒業した高校の教員が作成した推薦状2つ用意しなければなりませんし(高校から直送してもらうこともできるようです)、A資格で出願する場合には、作成しなければならない書類が多いので、スケジュールを確認しながら準備を進めるようにした方がいいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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