北半球の高校生の受験準備に関してvol.24 ―帰国生大学入試についてvol.166―

(2013年4月23日 13:25)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、アメリカ以外の国の教育制度(IB Diplomaコースも含む)で学んでいる人が日本の帰国生入試やAO入試を受験する予定である場合に、TOEFL iBTのリーディングやライティングのスコアが合わせて55点をコンスタントに超えるのであれば、その教育制度における統一試験や最終試験に向けた学習に力を入れるべきということを述べました。インターネットなどではどのような教育制度の高校に在籍していてもアメリカの統一試験であるSATのスコアが合否に最も関連性があるとの情報を見かけることがありますが、書類成績が重視される慶應義塾大学の帰国生入試でも特定の統一試験のスコアのみを優遇するということはありませんので、上の条件に当てはまる人は様々なものに手を出さないよう注意してもらえればと思います。


さて、ここまでの3回の記事で対象にしてきた海外の教育制度において学習を進める過程で優秀な成績を修めている人は、社会的評価の高い国立大学や首都圏の難関私立大学の受験を予定しているということが多いと思います。その中で東京大学や慶應義塾大学の帰国生入試を中心に受験校を選択するケースでは、出願時に提出する高校や大学入学取得のための試験の成績が合格可能性を考える上で大きな意味を持つために、その対策ばかりに注力してしまうという傾向が見られます。また、上智大学のように、帰国生入試の小論文試験において学部学科別にそこで専門的に取り扱われる学問に関連した難解な文章が出題されることが多い大学を第一志望にしているので、今から空いている時間をできるだけ日本語での読書に充てようと考えている人もいることでしょう。


これらの取り組みは決して悪いことではありませんし、受験結果をよりよいものにするために積極的な役割を果たすことは間違いないことです。ただし、上で挙げた大学(上智大学は法学部や経済学部経営学科に限定して考えても問題ないと思います)の帰国生入試においては、これまでに社会的な活動に取り組んできたかということや、自分の滞在した海外の社会に対して自分なりに一定の理解を有しているか(もしくは、そのために何か試みた経験があるか)ということなど、高校生としての生活における学習以外の事柄が志望理由書の作成という場面だけではなく、面接試験における評価において大きな影響を与えますし、書類成績や小論文を書く能力を考えると合格してもおかしくないという人がこの点で試験官を満足させられなかったために入学が認められなかったというケースもあると聞いています。書類成績に関しては、成績優秀な人の中で甲乙が付けがたいこともあり得ますし、また例えばアメリカではSATの成績と受験生が育った家庭の所得状況に強い関連性が認められることから出願時に提出するエッセイなどを重視する傾向があることを考えると、高校における学習成果以外の側面にも焦点が当てられるのは不条理なこととは言えないと思います。


※最近、AO入試や自己推薦入試において帰国生の受け入れをする大学や学部・学科が増えてきましたが、そちらを受験する場合には社会的な活動への参加などの高校在籍時にした経験の重要性がより大きなものとなります(例えば、早稲田大学政治経済学部のAO入試では自分の参加したものに関して文章を作成することが求められます)。


この点、IB Diplomaコースのように社会的な活動の参加がカリキュラムに組み込まれている教育制度で学んでいる人は自分が参加したものの概要やそこで気付いたことをまとめておくだけでいいですが、心配なのはこれがカリキュラムの中で義務的なものになっていない、もしくはそもそもそのような機会が設けられていないことがあるアメリカやイギリスのような教育制度を採用する高校に通っている人です。これまでにボランティア活動などに参加した経験がなく、面接試験などにおけるアピールポイントを作れない場合には、これからそういう取り組みをするのは難しいと思われますので、自分の滞在している社会の特徴や歴史に関する本を読み、自分なりに考察を深める時間を持つようにしてください。


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