明治大学政治経済学部の帰国生特別入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.190―

(2013年7月19日 21:00)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、これまでに帰国生入試やAO入試の概要を紹介してきた各大学と同様に人気が高く、出願資格を得るための条件が緩やかであることを関係して、例年、受験者の数が多い上智大学の帰国生入試を取り上げました。この入試制度では、各学科がそこで扱われる学問に関連した問題を独自に作成しますし、面接試験が重要になるところもありますので、自分の受験する学科の試験のあり方に合わせた形で準備を行なうことが大切です。


さて、今回は8月の中旬という比較的早い時期に出願手続き期間が設定されている明治大学政治経済学部の帰国生特別入試の出願資格認定のための条件などをお知らせします。まず、この入試制度で出願するためには以下の条件を満たす必要があります。


(1)日本国籍、もしくは永住権などを有すること
(2)通常の12年の学校教育課程を2013年4月1日から2014年3月31日の間に修了している(もしくは、修了見込みである)こと
(3)外国の教育制度を採用する海外の中学校、高校に2学年以上在籍したこと
(4)外国の教育制度における大学入学資格取得をしている(もしくは、取得見込みである)こと
(5)大学が指定する外国語運用能力試験で一定以上のスコアを取得していること



このブログでは3年前から(4)の条件に問題があることを度々指摘し、僕や前島が実際に大学の事務局の担当者に電話で問合せをしたこともあったにもかかわらず、今年度の入試でも条件が改定されることはありませんでした。その問題は何かと言うと、自分の学んだ教育制度における大学入学資格取得のための試験を受験することができない、もしくはそもそもないという場合に、この要項ではアメリカの統一試験であるSAT Reasoning TestやACTを受験しなければならないということになっています。これは、中国の教育制度で学んだり、日本の高校に編入したりした人の受験を難しくするものであり、特に出願手続き期間まで2ヶ月弱しか準備期間がない段階で要項を発表していることを考えると(この時点から結果を提出できるSATの受験機会はありません)、同じ帰国生でも滞在した地域によって極端に不公平な扱いを受けるということになってしまう訳です。僕が話した大学の担当者は、IB Diplomaコースやイギリス、フランス、ドイツの教育制度がどのようなものかを理解していなかったようですし、この問題が放置されていることを考えると、この学部に帰国生を受け入れる資格があるのかという点に疑問を抱かざるを得ません。


また、(5)に関しては、英語やフランス語、ドイツ語、中国語の運用能力試験が指定されていますが、英語運用能力試験ではTOEICや英検が認められていなかったり、IELTSはAcademic Moduleに限定されていたりといった条件がありますし、求められるスコアや級も試験によってさまざまです。詳細は、以下にリンクを貼る入試要項の3ページで確認してください。


【明治大学政治経済学部帰国生特別入試要項】
https://www.meiji.ac.jp/exam/reference/6t5h7p00000burkr-att/tk_youkou_14.pdf


合否の判定は、書類審査や筆記試験、面接試験の結果を基に行なわれます。筆記試験は現代文試験のみとなりますが、ここで出題される問題は難度が高いため、難関大学の一般入試対策のための問題集に取り組むことで読解力などを向上させるように努めることが必要です。


出願手続き期間は8月19日から23日までとなります。SATやTOEFL iBTの結果の証明書は大学に直送する手続きを取ることが求められていますし、海外で在籍した教育機関の教員の書いた推薦状を提出しなければなりませんので、手続きに向けた準備は早めに始めるようにしてください。


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/


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