青山学院大学国際政治経済学部の海外就学経験者入試について(2013年度版)―帰国生大学入試についてvol.193―

(2013年7月30日 19:30)

こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」のvol. 190からvol. 192では、明治大学の政治経済学部や法学部、国際日本学部で実施される帰国生を対象とした特別入試の概要をお知らせしました。筆記試験で出題される問題などに関してそれぞれ特色がありますので、それに合わせた形で受験に向けた準備を進めてもらえればと思います(なお、この大学の文学部の自己推薦特別入試も帰国生が受験できますが、出願手続き期間の開始がまだ先ですので、後に回します)。


さて、今回からはこれまでの記事で取り扱ってきた各大学と同様に、首都圏の難関大学の一つである青山学院大学の海外就学者経験入試の概要を紹介したいと考えていますが、国際政治経済学部において今年度、出願資格を得るための条件などに大幅な変更がありました。まずはそれを取り上げたいと思います。


この学部で出願資格を認定されるには、「日本国籍、もしくは永住権などを有していること」の他に、大きく分けて2種類の条件(外国の教育制度を採用する海外の教育機関での在籍期間などに関するものと、外国語運用能力試験に関するもの)を満たすことが求められます。このうち、海外の教育機関の在籍期間などについて、単身留学生や日本の高校に編入した人を含めた全ての帰国生を対象としたものは以下の通りです。


(1)通常の12年の学校教育課程を2014年3月31日までに修了し(もしくは、修了見込みであり)、高校卒業から大学入学までの期間が1年未満であること
(2)海外の教育機関に在籍期間が、7年生から12年生にかけて授業を受けた場合は通算3学年以上、1年生から12年生の間である場合には通算4学年以上であること



また、保護者の仕事の都合で海外に行くことになった人については、次に示す条件を満たしている場合にも出願資格を得ることが可能です。


(1)海外の高校を最終学年を含めた2学年以上に継続して在籍し、2014年3月31日までに卒業した(もしくは、卒業見込みである)こと
(2)高校卒業から大学入学までの期間が1年未満であること
(3)保護者が先に帰国した場合には、単身で海外に残留した期間が2年未満であること



さらに、この学部では昨年から日本の高校からの正式な交換留学の形で海外の高校に在籍することになった人にも出願資格を認めており、その場合には「海外の教育機関での在籍期間が半年以上、2年未満であること」「2013年3月に高校を卒業しているか、2014年3月に卒業する見込みであること」という2つの条件を満たす必要があります。


上で述べた海外の教育機関での在籍期間などに関する条件に加えて、今年度から外国語運用能力試験のスコアや級に関するものが設けられ、それを満たしていることを証明するために出願手続き時に提出する証明書に記載されている成績を基に書類審査を実施するということになりました。こちらの条件は、英語運用能力試験の成績のみに関するものと、それに合わせてドイツ語、フランス語、中国語、スペイン語、ロシア語の運用能力試験の成績に関する条件を同時に満たしているケースで出願資格が認められる形のものの2種類があり、詳細はこの記事の最後に貼るリンク先で確認してもらえればと思いますが、例えば、前者は以下のような条件になっています。


・TOEFL iBT 79点以上(PBTの場合は550点以上)
・TOEIC 730点以上
・IELTS (Academic Module) 6.0以上
・英検準1級以上



合否の判定は、上で述べた書類審査や筆記試験(小論文試験)、面接試験を通じて行なわれます。書類審査は今年度が初めてになりますので、どの程度のスコアや級が求められるかは不明確ですが、この学部は帰国生の間でも人気が高いので、英語運用能力試験の成績のみを提出する場合には、基準となっているものを大きく上回っていないと通過できない可能性があります。また、小論文試験は例年、問題文がなくトピックのみが提示される出題形式を採っており、日頃から新聞や本を読んで、世界や日本が直面する問題などに関する知識を蓄積しておかないと対応するのが難しいものです。例えば、「朝日キーワード」のような本で全体像を把握した上で、様々な問題に関する新書を読むという形で準備を進めるのが望ましいと思います。


海外就学経験者入試におけるこの学部の出願手続き期間は8月26日から29日までです。書類審査が入ったことで他の学部・学科よりも時期が早まったことに注意して、出願手続きに必要な書類を揃えるようにしてください。


【青山学院大学海外就学経験者入試HP】
https://www.aoyama.ac.jp/admission/undergraduate/examination/exam_orverseas_worker.html


それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。
【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/


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