TOEFL iBTのSpeaking Sectionの対策について ―英語学習の勧めvol.141―

(2013年8月19日 16:10)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、TOEFL iBTのWriting Sectionで出題されるエッセイ問題について、採点の際に内容が重視されるのではなく、文法や語法に関する正確な理解や文章の構成が主に問われているということを述べました。例えば、トピックに同意するとした上で、それにつながる論拠をいくつか挙げたのに続いて、それを否定するようなものを提示するというように、内容に大きな矛盾がない限りは評価が下がるということはありませんので、文法事項の学習や、多様な表現を使いこなせるように単語やイディオムを記憶していく作業に注力するのが対策として最も効果的であると言えます。


さて、TOEFL iBTにはエッセイ問題のように能動的に表現することが求められる問題がありますが、その中の一つに与えられたトピックに関して考える時間を15秒間与えられ、その後の45秒間で自分の考えを口頭で伝えるというものがあります。何を話すかということを検討する時間が短いこともあって、帰国生の中にも苦手とする人が多いものですが、これも前回に説明したエッセイ問題と同様に、話した内容が十分に練れたものであるかどうかが重要な評価基準になるものではありません。


このような採点における傾向はTOEFL iBTがSATなどのように受験者の総合的な学力ではなく、あくまで英語運用能力を測るものであることを考えると当然のことだと思われます。以前に紹介した京都大学の青谷准教授によれば、上のような形式の問題において、受験者が45秒間に渡って大きな中断がない形で、スムーズに話し続けられることができるかということ(fluency)が評価における第一の点であり、文法や語法を正しく理解しているか、様々な単語や表現を用いて自分の考えを表現できているか、トピックに対する自分の考えをまとめたものを話の始めに置くなど適切な構成が取れた発言ができているかという点がそれに続くものとされているそうです。


あるトピックに関して文章を書いたり発言をしたりすることを求められると、相手に一目置かれるような内容の伴ったものにしようと身構えてしまうことはよくあることですし、それは決して悪い姿勢だとは思いませんが、TOEFL iBTのWriting SectionやSpeaking Sectionに限って言うと、そのような目標を持つ必要はありません。このテストでは受験者に何が求められているかという点を正しく理解して、英語運用能力そのものを支える文法や単語、表現といった事項の学習を中心に据えて対策を進めるようにしてください。


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