TOEFL iBTやIELTSの受験について(3) ―英語学習の勧めvol. 167―

(2020年5月14日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、世界各地での新型コロナウィルスの感染拡大によって会場に多くの人を集めて試験を実施することができなくなった状況(日本でも5月の試験はキャンセルになりました)を受けて、IELTSの実施団体が通常のテストの代替手段として提供し始めたIELTS Indicatorを紹介しました。

<IELTS Indicator HP>
https://www.ieltsindicator.com/(英語版)
https://ieltsjp.com/ielts-indicator/(日本語版)

その後、SOLの生徒が実際にIELTS Indicatorを受験してみたようですが、現段階で提供されているもの(問題点が指摘されることが多くなれば、今後改善されることも考えられます)は、在宅でも受験会場とほとんど同じような形式でテストを受験できるTOEFL iBT Special Home Editionと比べて2つの大きな問題点があるようです。

その一つはテストの取り組み易さに関するものです。IELTS Indicatorはlisteningやspeaking、writingの各パートでは通常のテストとそれほど大きな違いは見当たらないようです(writingでは日常的に使っているキーボードが使えるという利点もあります)。しかし、readingにおいては文章と問題がディスプレイを縦に割った形で同時に表示されるため、ノートパソコンのようなサイズが小さなディスプレイでは、文章が文字数の少ない行が延々と続く形になってしまい、通常のテストを受験した経験がある人からすると、問題を解いているうちに自分がどこを読んでいるかを見失ってしまうなど、大変読みづらいという印象を与えるものになってしまっているという話を聞きました。

そして、IELTS Indicatorの抱えるより大きな問題点は、TOEFL iBT Special Home Editionのように不正行為を取り締まるための仕組みがないことです。TOEFL iBT Special Home Editionでは、スコアの信用性を維持するために、受験する前にパソコンのカメラを通じてテストが行われる部屋に不正行為を行うための道具などがないかについての確認が行われますし、テストを受けている間もその様子が録画されているようです(ヘッドフォンなどの使用も禁止されています)。一方で、IELTS Indicatorにはこのような不正行為防止のための取り組みが(少なくとも、現時点では)見られないという話を聞いていますので、そのスコアが日本の大学の帰国生入試やAO入試において正式なものと認められる可能性は極めて低いのではないかと思われます。

それでは、TOEFL iBTやIELTSなどの英語運用能力試験の対策についてご質問などがある場合には、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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