帰国生入試の出願資格を得るための条件について(3)―帰国生大学入試についてvol. 300―

(2021年5月28日 14:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、帰国生入試で出願資格を得るための条件に関して確認すべきポイントとして、入試要項で始めに挙げられていることの多い「日本国籍または永住権を有していること」、「保護者の転勤などにより海外に渡航したこと」の2つを取り上げました。後者の条件は、海外の高校に単身で留学する人が増えていることなどからほとんどの大学で見られなくなりましたが、一橋大学など一部の国立大学にはまだ存在することに注意しましょう。

さて、帰国生入試で出願資格を得るための条件の中で重要なものの一つが「海外の教育機関での在籍期間」です。この条件については、国際基督教大学(ICU)の「ユニヴァーサル・アドミッションズ4月入学帰国生入学試験」のようにどの国で高校を卒業したかに関係なく「海外の中等教育機関(中学校と高校)に2学年以上継続して在籍したこと」と定めているものもありますが、海外の高校を卒業した(もしくは卒業予定である)か、海外から帰国して日本の高校に編入したかによって異なる期間を指定している大学が多く、後者のケースで海外の中等教育機関での在籍期間を長くするのが一般的です。

例えば、法政大学の帰国生入試の2021年度入試要項には「2. 出願資格」に以下のような条件が見られます。

(1)外国において日本国以外の教育課程に基づく高等学校に最終学年を含め 2 学年以上継続して在籍し、卒業した者。または 2021 年 3 月までに卒業見込みの者(既卒者は 2019 年 4 月以降卒業者 に限る)。

(2) 外国において日本国以外の教育制度に基づく中等教育課程に通算して 4 学年以上在籍し、日本または外国の高等学校を 2020年4月から 2021年3月までに卒業する者。または卒業見込みの者。

また、学習院大学の「『外国高等学校出身者』および『海外帰国生徒』対象入試」はもう少し複雑ですが、海外の高校を卒業した場合には継続して2学年以上、もしくは中等教育機関に通算4学年在籍したことが求められている一方で、日本の高校に編入しそこを卒業する予定である場合には継続して2学年以上、または通算で3学年以上学んだ経験のある人が出願資格を得ることができます。

自分が海外の教育機関に在籍した期間に関する条件を満たしているかを確認する場合には、どこで高校を卒業するか(もしくは卒業予定であるか)によって条件が異なることに注意しましょう。

※青山学院大学の国際政治経済学部や法学部、文学部日本文学科で実施される海外就学経験者入試では、上で述べた条件に加えて前回の記事で取り上げた「保護者の転勤などによって海外に渡航したかどうか」によって、海外の教育機関の在籍年数に関する条件が変わってきます。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

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