帰国生入試の出願資格を得るための条件について(5)―帰国生大学入試についてvol. 302―

(2021年6月11日 14:50)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、日本の大学が帰国生入試で出願資格を認める際の条件の中で重要なものの一つである「海外の教育機関における在籍期間」について、そこで見られる「年」や「継続」、「通算」といった表現が何を意味しているかを説明しました。「年」は「学年」を意味しており、例えば「継続2年」という条件がある場合に、海外に滞在していたのは2年未満であっても高校に2学年最初から最後まで在籍していれば出願資格が認められることを確認してもらえればと思います。

さて、先日公表された早稲田大学の帰国生入試の2022年度入試要項では、出願資格を得るための条件に関する説明の後に「【注意】」という項目があり、その3番目と4番目に以下のような文が見られます。

3.学校教育法第1章第1条によらない、日本国内の外国人学校等の修了者は、当学帰国生入学試験には出願できません。(以下略)
4.文部科学省により日本の高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定された在外教育施設の修了者は、当学帰国生入学試験には出願できません。


これら2つの注意点は他の大学でもよく見られるものですが、前者は日本国内にあるアメリカやカナダなど外国の教育カリキュラムを採用したインターナショナルスクールを卒業した人には帰国生入試での出願資格を認めないということを意味しています(日本の高校でIB Diplomaを取得できるコースに在籍している場合も同様です)。このような高校を卒業した人が日本の大学を受験する場合には、英語運用能力試験の成績を活かすことのできるAO入試や一般入試を受験するのが一般的です。

そして、後者の条件は、海外にある高校でも日本の教育カリキュラムを採用しているものを卒業した場合には帰国生入試を受験できないというものになります。現在でも、ヨーロッパに立教英国学院や帝京ロンドン学園、スイス公文学園のような日本の私立教育機関が設立した高校がありますし、アジアには早稲田渋谷シンガポール校や上海日本人学校高等部がありますが、これらの高校を卒業した人は帰国生入試では出願資格は認定されず、日本の大学への入学を希望する場合には、上で述べた日本国内のインターナショナルスクールを卒業した人と同じように、AO入試や一般入試を受験することになります。海外にある日本のカリキュラムを採用する高校への進学を検討する際には、この点に注意してもらえればと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

トップへ戻る