7月26日から7月30日までのグループ指導などについて―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 166―

(2021年7月26日 19:20)

こんにちは。SOLの余語です。
前回の記事では、大学受験に向けた学習に積極的な姿勢を見せない人の中には、小学生高学年から中学受験の準備をする際に大きな負担やストレスに直面したことで、学びに対してネガティブな印象を持つようになった人がいるということを述べました。このような具体的な事情は、一人ひとりの生徒とコミュニケーションを取る時間があってこそ理解できるものです。

学習者にかかる大きな負担という点では、高校などから海外に単身留学などの形で渡航した人の多くが直面するものも相当なものです(少なくともこの教室で学んだ人の中ではそのような印象を持っている人が多数派だと思います)。日本の教育機関では国の定める学習指導要領に基づいて授業の内容が定められていますが、その中で2021年度から小学校では600~700個、中学校では1,600~1,800個の英単語を習得することが目標になっています。数だけ見ればそれなりの語彙量が蓄積できるように思われますが、実際のリストを見てみるとかなり基礎的なものに限定されていますし、一般的な小・中学生の学習方法を考えると、これだけのものが実際に長期記憶にとどまり様々な場面で活用できるものになっているのかという点について疑問が残ります。

また、英文法に関しては中学3年の終わりまでに使用される頻度の高いものを学習していると言われることがありますが、それがどの程度定着しているかは人によって大きく異なる上に、学問的な文章でよく見られる複雑な構造の文の成り立ちを正確に分析するために必要な事項の中には高校で学ぶことになっているものも少なくありません(中学校の段階ではそのような文に接する機会そのものもほとんどないと思われます)。このようなことを考えると、例えば単身留学するための準備に長期的に取り組んでいる、もしくは小・中学校の段階で英語圏の国や地域のカリキュラムを採用した教育機関に在籍した経験があるということがない限り、日本の中学校を卒業したばかりの人の英語運用能力は英語を母語とする人が就学前の時点で到達する水準と同等であったとしてもおかしくありません。

英語圏の国や地域のカリキュラムには英語を第二言語とする人を対象としたクラスがあるとしても、そこでの学習も日本語母語話者にとっては効果的なものにならない場合もあります。そして、年齢相応な水準に運用能力が高まっていない言語を用いて何かを学習する場合、その対象に関する十分な知識が手元にあれば負担はある程度軽減されるはずですが、以前に紹介した「高大接続問題」と同様に、中学校から高校に進学した際にそこで取り組む学習内容の水準の上がり方に適応できない人が日本の教育機関でも少なくないという指摘が以前からなされています。それほど運用能力が高まっていない言語が主に使われる環境の中でこのような問題を乗り越えていくには並大抵ではないハードワークとそれを支える熱意が必要になるものの、海外の高校で学ぶ日本語を母語とする人が皆そのような資質を持ち合わせている訳ではありません。そして、彼らの中から日々の学習に伴う負担によって、英語やその他の事柄を学ぶことに対して消極的な姿勢を示す人が出て来るということになるのです(以前の生徒では、英語の勉強をする時間になると瞼が自然に閉じてしまうという人もいました)。

これまでの経験からすると、特に高校から単身留学した人にとって英語の学習に積極的に取り組むことができないことを認めるのは難しいことであるようで(自分が生きている中でなした決断が誤っていたことを認めるのに強い心理的な抵抗が伴うのは人間一般の傾向です)、彼らがそのようなことを僕らに伝えてくれるのは授業の内外に関わらず個人的に話をしている時なのです。

さて、今週のグループ指導についてですが、東京23区やその近郊で新型コロナウィルスの感染が新たに判明した人の数がデルタ株が市中に広がるにつれて急激に増加しています。そのため、公共交通機関を使って教室に来る場合には、ターミナル駅を使わないのであれば対面で、この条件を満たせないケースではzoomなどを使ってオンラインで行うことにします。また、個別指導や個別面談も同じ方針で実施します。よろしくお願いいたします。

【個別面談お申込みフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form2.html

それでは、帰国生大学受験セミナーのグループ指導の内容や日程などに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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