現在の教室の状況について(2022年2月14日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 174―

(2022年2月14日 14:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、少なくとも文系学部の帰国生入試やAO入試の多くでは、事前に提出された外国語運用能力試験の成績と小論文試験の出来によって合否が判断されることを説明しました。この結果、首都圏の有名私立大学では、例えばIELTSのスコアが6.5の人が不合格になっているのに、6.0の人は受かっているということが起こります。

このような入試で合格に必要なものを正しく見極めるには、受験者一人ひとりの小論文試験に対応する力を把握しておかなければなりません。小論文試験と言われると、「最近の国際問題の中で、あなたが重要だと考えるものについて述べなさい」というようなトピックが出題され、ただそれに合った文章を書いていくものだと考える人もいるかもしれませんが(今はインターネット上で過去問などを見ることができるので、それほど多くないかもしれません)、ほとんどの大学では学者などが書いたA4用紙1、2枚分の問題文が出題され、そこでの主張やその内容に関連したトピックに対して自分の考えを述べることが求められます。

そのため、高い評価を受けるような答案を作成するには、第一に問題文を正しく読解し、筆者の主張やそれを支える根拠や具体的な状況がどのようなものかを見分けることが必要になります。そして、そこで得たものを基に自分の考えが問題文の内容を踏まえているか、論理的な破綻はないか、一般的に共有されている知識に合っているかといった点に注意しながら主張を形作り、それに説得力を与えるような具体例を揃えるという形で実際に文章を書く前の準備をしなければなりません。

そして、これらのプロセスを経た後に、与えられた字数の中で、自分の考えをそれが最もよく読み手に伝わる構成の下に、適切な単語や表現を用いながら表現していくということになりますが、ここでは日本語運用能力や思考力、人間や社会が置かれている過去もしくは現在の状況に対する理解や知識など、学力に関する様々な側面を試されることになります。一般入試でも、ICUのA方式で実施される「人文・社会科学」や「総合教養」のように総合的な学力が問われるものがたまに見られますが、それらが正しい選択肢を選ぶ形になっている一方で、帰国生入試やAO入試の小論文試験では、自分で書いた文章によって大学が求めている能力があることを証明しなければならないのです。

このように、評価の項目が多くあり、正しい対応のあり方も多くのものが考えられる試験では、一人ひとりの受験生が持つ力を統計的な分析に合った数値に表して評価することが難しく(僕らも内容や構成・表現に関してチェックする項目を示した上で、A~Dという形で答案を評価しています)、塾や予備校などで進路指導だけを担当している人には各大学や学部・学科が求めているものが見えにくいと考えられます。その上、人によって取り組みやすい問題文やトピックにばらつきがあったり、上で挙げた帰国生入試やAO入試で試される力に関して入試ごとに違いがあったりすることを踏まえると、このような傾向は一層強まっていくはずです。

さて、東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスに新たに感染した人の数が前の週の同じ曜日を下回るようになり、ピークアウトしたのではないかという指摘も見られるようになりました。ただし、まだその数は多いですし、今週末に受験を控えている人もいますので、先週まで同じように感染対策をしっかり行うようにしたいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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