現在の教室の状況について(2022年2月21日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 176―

(2022年2月21日 16:30)

こんにちは。SOLの余語です。
2月14日の記事では、帰国生入試やAO入試の多くで合否の判断材料の一つとなる小論文試験の出来について、文章読解力や日本語運用能力、思考力など学力の様々な側面を受験生が自分で書いた文章から測るものであるため、その評価を数値で表すことが難しいと述べました。大学や学部・学科によって重視するものが異なることや同じ人でも学問分野が異なると対応力にばらつきが出ることがその傾向を強めます。

一般入試でも、試験科目に小論文を入れているものがあり、帰国生入試やAO入試を同じ形式での出題を長年継続しているものとして慶應義塾大学の一般入試が挙げられます。最近は大手予備校でも年に1回、この大学を受験する予定の人が受けられる模試があるようです(僕が現役の受験生だった時はなかったと思います。予備校に在籍したことがないので、記憶違いかもしれませんが)。

そこでは小論文試験の結果も点数で示されるようですが、インターネットで検索すると、合格圏内にはないと判定された人が実際には合格したという事例(しかも、その決め手となったのが英語運用能力ではなく、小論文試験で十分な対応ができたという自己評価をしているもの)が少なくないということが分かります。これは、小論文試験の評価を統一した規格で行うことや、進路指導を担当する人などによる受験生の小論文試験に対応する力に関する分析を試験の作成者や答案の添削者にフィードバックすることの難しさを表しているのはないかと思います。

また、以前の記事でも述べたことかもしれませんが、例年、東京大学や京都大学と言った難関国立大学の2月に行われる帰国生入試を受験する予定の人が、その前にある横浜国立大学や北海道大学の同じ形式の入試を模試代わりに受けるということがあるようです(合格を出しても入学する人がほとんどいないため、北海道大学では面接試験の際に、本当に入学する意思があるのかという点をしつこく確認されるようになりましたし、名古屋大学はこのような状況に嫌気がさしたのか、帰国生入試自体を廃止してしまいました)。

受験生がこのような行動を取る理由としては、予備校や塾がその年の受験実績がよりよいものにするために受験を止めないことや、難関国立大学を受ける人が少数であるので模試を作っても費用対効果が高くならないことが考えられます。しかし、過去問を使ってテストができることを考えると、ここにも小論文試験の評価を統一された基準で数値化することの難しさが関係しているのかもしれません(自分たちではうまくできないので、入試を実施している大学に丸投げしているということです)。

これらのことを踏まえると、帰国生入試やAO入試において合格するのに必要なものを正しく把握するためには、一人ひとりの受験生が持つ小論文試験に対応する力の全体像を視野に入れることが必要であり、そのためには進路指導を行う人が実際に授業を担当したり小論文の答案を添削したりすることでその理解を深める機会が確保できていることが望ましいということになるのです。

さて、東京23区やその近郊における新型コロナウィルスの感染拡大について、政府の諮問機関などが峠を越したという認識を示しているようですが、1日に新たに判明した人の数はそれほど大きく減っている訳ではないようです。今、教室には来年度に受験をする南半球の高校を卒業した人や日本の高校3年生にこれからなる人が通って来ています。教室内でクラスターを起こさないようこれからも感染防止を徹底したいと思います。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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