現在の教室の状況について(2022年2月28日)―SOL帰国生大学受験セミナーについてvol. 177―

(2022年2月28日 17:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、帰国生入試やAO入試の多くで合否の判断材料の一つである小論文試験に対応する力の数値化が難しいということに関して、受験準備のサポートの現場で見られるいくつかの状況がその裏付けになる可能性があると述べました。特に、横浜国立大学や北海道大学の帰国生入試をその後の難関国立大学の模試として使うことは、通常の予備校や塾でこれらの入試の進路指導が正しく行われているのかに疑問を持たせるだけでなく、他の受験生から充実した環境で学ぶ機会を奪ってしまうという問題があると思います。

さて、僕らのように、授業や小論文の答案の添削、進路指導など、帰国生入試やAO入試の受験準備の全ての面に関するサポートを行っていると、入試の実施のあり方から合格に必要なものとして想定されるものが十分ではないことに気付かされることがあります。例えば、「帰国生大学受験セミナーについてvol. 171」では、慶應義塾大学の帰国生入試において、経済学部や商学部、総合政策学部、環境情報学部は主に英語運用能力試験や各学部が指定する大学入学資格を得るための統一試験の成績で合否を判断すると述べました。

入試会場で書くことが求められる小論文を「小論文試験」としている法学部が上で挙げた学部の中に入っていないのは当然のことであり、実際に事前に提出した書類の内容が相対的に優れたものではない(「相対的」という語を入れたのは、この大学を受験する人の中では優れたものとは言えないだけで、受験生全体という観点から見るとトップ集団に位置するからです)人が合格し、より上位の評価をされるはずの人が不合格になるということが起こります。

しかし、上に挙げた提出した書類の内容で合格が決まる学部と同じ形で合否が判定されると述べられることが多い文学部が入っていないことにオヤッと思う人がいるかもしれません。確かに、入試要項ではこの学部も小論文を合否の判定に関係がない「参考小論文」として扱うとされているのですが、合格した人と書類の内容に関して一定の水準を満たしているにも関わらず不合格に終わった人の学力のあり方を比較してみると、この学部における合否の判断では、小論文答案で確認できる日本語運用能力が期待される水準を超えているかも重要な役割を果たすことが分かります。外国語を学ぶのには母語を使いこなす能力が基盤となるため、当たり前と言えば当たり前の話なのですが、これも我々のように受験生の日本語運用能力のあり方を把握する機会があるので把握できることなのです。

東京23区やその近郊では、新型コロナウィルスのワクチンの3回目接種が終わった人が増えてきたことも関係しているのか、新たに感染が判明する人が減少してきています。今週の土曜日に、以前の記事でもお知らせした、これから大学3年生になるOBOGを対象にした就職活動に関するセミナーを開くことになっていますが、ソーシャル・ディスタンスを取ることなどに意識を置く形で感染対策を行いたいと考えています。

それでは、帰国生の大学受験やSOLの帰国生大学受験セミナーなどに関して情報をご希望の方は以下のフォーム、もしくはinfo@schoolofliteracy.comよりご連絡ください。よろしくお願いいたします。

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