今から帰国生入試やAO入試に向けて準備すべきことについて(8) ―帰国生大学入試についてvol. 318―

(2022年4月22日 18:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、帰国生入試やAO入試の受験に向けた準備の中で、それに本格的に取り組む時期に入る前にしておくべきものの一つである外国語運用能力試験の成績を伸ばすことについて、中国語運用能力を活かして受験する場合にすべきことを説明しました。日本の大学で中国語運用能力を高く評価するところはそれほど多くありませんので、中央大学の商学部や経済学部などで求められるものをしっかりと身に付けておくこと、そしてそれが達成できた際にはTOEFL iBTやIELTSなどの受験も視野に入れるべきことが大切になります。

さて、日本の大学の帰国生入試やAO入試で海外の教育制度での大学入学資格の取得を出願資格を得るための条件としているものはほとんどありません。それでも、私立大学では慶應義塾大学の帰国生入試や総合政策学部、環境情報学部のAO入試を受験する場合には大学入学資格を得るための統一試験の成績の提出が求められますし(法学部のFIT入試も「望ましい」としているので、取っておいた方がいいでしょう)、国立大学では横浜国立大学経済学部や東京大学、京都大学を受験する際に必要になります。また、早稲田大学政治経済学部のEDESSAや上智大学の国際教養学部(FLA)のAO入試もしくはその他の学部のSPSF入試によって9月入学を目指す場合にも同じことが言えます。

この点、IB DiplomaコースやイギリスのA Levelのように高校での学習の成果が大学が評価する対象になったり、全体的な成績に影響を与える仕組みになっていたりする教育制度で学んでいる人は日々与えられる課題や最終試験の対策にしっかり取り組むことが重要になります。そして、上で述べたような出願資格を得るための条件をアメリカの統一試験であるSATやACTを受験することで満たす場合(アメリカの高校を卒業する人は当然ですが、大学によってはカナダのいくつかの州のように高校を卒業すれば大学入学資格を得ることができる教育制度や中国のように外国人が統一試験を受験できないもの、オーストラリアやニュージーランドのように出願手続きまでに統一試験の結果が出ないものを採用する高校を卒業する場合もこれに含まれることがあります)には、高校の授業時間外で英語や数学に関する試験の対策をすることが今の時期に行うべき受験準備の一つとなります。

なお、慶應義塾大学の帰国生入試はこれまでSATのスコアに関して、Reasoning Testのものに合わせて学部が指定するSubject Testsのものも提出することを求めていましたが、来年度からは前者のもののみでよいことになりました。以前は州独自の統一試験を受けたり履修する科目に関する条件を満たしたりすることができれば大学入学資格を得たとみなされていたカナダの高校を卒業する人にSATの受験を義務付けたことが今回の変更に関係しているのではないかと考えられますが、その結果、最終的な合否の判断をする際にSAT のReasoning Testのスコアだけでなく、高校で履修した科目やその成績も参考にする可能性が出てきたことに注意すべきだと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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