日本に帰国する前に揃えておくべき書類などについて(4) ―帰国生大学入試についてvol. 327―

(2022年7月15日 18:30)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、海外の高校を卒業し日本の大学の帰国生入試やAO入試を受験する際に高校に作成を依頼することが不可欠になる卒業証明書(certificate of graduation)や在籍証明書(certificate of attendance)、成績証明書(transcript)に関して、高校の事務員が日本の大学が求める形に慣れていないことから生じる問題があると述べました。出願手続きを無事に終わらせるためには、日本に帰国する前の段階で必ず連絡が取れる関係者を1人でもいいので確保しておくべきだと思います。

さて、帰国生入試やAO入試の中には、それほど数は多くないものの、上で挙げた3つのもの以外の書類を高校の学校長や教員などが作成しなければならないものがあります。例えば、慶應義塾大学の全ての学部で実施される帰国生入試では学校長や教員が書いた推薦状が必要ですし、総合政策学部や環境情報学部が行うAO入試では「志願者を客観的に知る立場にある」人(多くの場合、学校長や教員、参加した社会的な活動の主催者になると思います)による「志願者評価」を2名分提出することが求められています。

また、早稲田大学の帰国生入試に出願する際、推薦書の提出は今年度から不要になりましたが、政治経済学部のグローバル(海外就学経験者)入試では「活動内容証明書」に学校長などのサインをもらわなければなりません。特に7、8月に夏休みの期間に入る北半球の高校に在籍する人は、自分が出願したいと考えている入試の要項を高校の授業が終了するまでに大学のホームページから入手し、これらの書類のように卒業証明書や在籍期間証明書、成績証明書に加えて高校に発行を依頼しなければならないものがないかを確認しなければなりません。

なお、推薦状や「志願者評価」については、学校長に作成してもらうのでも問題はないかと思いますが、自分の状況をよく理解していて高い評価を与えてくれる点を具体的に説明できる教員が身近にいるのであれば、その人に依頼するのが得策です。そして、推薦状の内容に含めてほしいアピールポイントなどがあれば事前に明確な形で伝えた方がよいですし、作成作業が終わった後に実際に何を書いてくれたのかを可能であれば確認させてもらうべきだと思います(高校の授業や課題にどのように取り組んだかについて何の言及もないものを書かれてしまった人がこれまでに少なからずいます)。

早稲田大学政治経済学部のグローバル(海外就学経験者)入試では、「活動証明書」と同一の内容で「活動報告書」を作る必要があり、そこで説明したことと自分が出願する学科で学びたいことと関連させる形で文章を書かなければなりません。小論文で様々な内容の問題文にふれることによってそれが明確になっていく人も少なくないと思いますが、その場合には活動内容の欄に何も書き込まない形で学校長のサインをもらえるように高校と交渉した方がいいと思います。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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