日本に帰国する前に揃えておくべき書類などについて(3) ―帰国生大学入試についてvol. 326―

(2022年7月9日 13:45)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、海外の高校を卒業し日本の大学の帰国生入試やAO入試を受験する際に必ず高校に作成してもらわなければならない卒業証明書(certificate of graduation)や在籍証明書(certificate of attendance)、成績証明書(transcript)について、主に日本の大学がこれらの書類を原本で提出することを求めていることから生じる注意点について説明しました。「原本証明」と呼ばれる手続きにかかる手間のことを考えると、受験する予定の入試の数によってこれらの書類5~10セットを日本に帰国する際に持ってくるのがよいと思います。

さて、滞在した国や地域によっては高校がこれらの書類の作成に慣れていないことや、日本の大学がその他の国や地域の大学が求めていないものを要求することが原因で、出願手続きの際に問題が生じることがあります。例えば、オーストラリアやニュージーランドには、ある学年で履修した科目一つひとつについてtermごとに成績証明書を発行する高校がありますが、これをterm単位でホッチキス止めし最初のページだけ学校印が押されているものを持って帰ってくる人がいます。このような形式でまとめられた書類に関して、日本の大学の帰国生入試やAO入試を担当する人の中には、1枚目の学校印が押されたものだけを原本とみなし、残りのものについても全て学校印を押してもらうように注文を付けてくる人がいます。

こういった書類を提出する際に生じるトラブルに関しては、一部の融通が利かない大学や学部・学科を除いて、出願手続き期間が終わった後でも例えば志願票を発行するための作業に入る前まで猶予を与えてくれるところがほとんどです。ただし、南半球の国の高校は多くの入試で出願手続きが行われる7、8月に通常の授業が実施されており、事務局の人とコンタクトが取りやすい一方で、カナダやアメリカといった国の高校では担当者が長期休暇に入ってしまっていることが多く、日本の高校などとは違い、メールなどで連絡をしようとしてもその確認すらしてもらえないということが少なくありません。その結果、決められた期日までに新しい書類が送られてくるのか心配で受験に向けた準備に身が入らない人がいますし、最悪のケースでは、書類が用意できないことが理由となり出願資格が認められないという事態も生じてしまうこともあります。

北半球の国や地域に滞在していて高校の夏休みの時期に出願手続きがある帰国生入試やAO入試を受験する人は、上のような状況を回避するために、日本に帰国した後でも必ず連絡が取れる高校の関係者を一人でもいいので確保しておくのが望ましいと思います。また、留学エージェントを使って海外の高校に単身留学した人は、自分の担当となっている人に(できれば日本に帰る前の段階で)この点を確認してみるのもいいでしょう。

それでは、日本の大学の帰国生入試やAO入試の受験に関してご質問などがありましたら、以下のフォームからご連絡いただくか、info@schoolofliteracy.comにメールをお送りいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【教育相談フォーム】
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