単語を覚える前に単語の仕組みを理解しましょう - 英語学習の勧め⑮ -

(2010年04月30日 16:35)

こんにちは。SOLの余語です。
今回からは英文を書いたり読んだりするために必要な単語や表現の知識をどのように増やしていくかということを説明したいと思いますが、覚えるべきものは膨大にありますので、まずは対象の絞り込みを行いましょう。

英語の派生語のパターンを頭に入れておきましょう

海外の学校などで英文に日常的にふれていると、形の似ている単語が多くあることに気づくことがあると思います。そのようなものが多い理由の一つは、英単語には名詞を動詞化したものや形容詞を名詞化したものがあるからです。例えば、「特色」を表すcharacterという単語にはcharacterize(~を性格づける、~の特徴をなす)という動詞化されたものがありますし、characteristic(特徴のある、独特の)やcharacteristically(特徴的に)のように形容詞化・副詞(adverb、動詞や形容詞を修飾するもの)化されたものがあります。

このように、名詞を動詞化する場合に用いる-ize、形容詞化する場合に用いる-stic-fulなどを、形容詞を副詞化する場合に用いる-lyなどを接尾語と言います。こうした接尾語が頭に入っていれば、上の場合だとcharacterの意味だけを知っておけば読解の際は十分だということになります。ある言葉が他の言葉の派生語であることを辞書でその前後を見ることで確認すること、そしてそのパターンを頭に入れておくことが、覚えられる単語の数を効率よく増やすことにつながるでしょう。

単語の後ろの形だけではなく、前についているものにも注目しましょう

これまで述べたことはある単語がどのような形で終わっているかに注目することにつながりますが、接頭語と呼ばれる単語の前についてその単語にある一定の意味を付与するものに注意することも覚えるべき単語の数を減らすことにつながります。

このような接頭語には、例えば、discomfort(不快、不便)のdis-incapable(能力に欠けている)のin-un-のように、それに続く単語の意味を打ち消すものがありますし、またexport(輸出する)、import(輸入する)についているex-im-(in-)のように「外に向けて」、「内に向けて」といった意味を付け加えるものもあります。

接頭語は、上で出てくるin-(im-)のように2つ以上の意味を兼ね備えるものもありますが、多くの単語にふれていく中でそれが大体どのような意味で使われるものかが見えてくるはずです。また、辞書に単独の項目として掲載されている場合もありますので、それを確認してみてもいいでしょう。最初は調べるものが増えて大変かもしれませんが、このようなことを習得していくうちに、英語の学習における負担がだいぶ軽減されますので、ぜひ取り組んでみてもらえればと思います。

なお、これらのことをすでに知っている、もしくは学習していく中で確認済みという人は接頭語や接尾語を省いた形(これを語幹と言います)の意味に注目して学習を進めると、より記憶する際の負担が軽くなります。ただし、語幹について十分に整理されている辞書はそれほど多くありませんし、その内容も複雑であることも少なくありません。よって語幹についての学習は、この点について深い理解を持つ教師の下で勉強することをお勧めしますが、語幹について考えていくことは、その単語の根源的な意味を理解するうえで非常に重要ですし、語についての新たな発見もあり楽しいものです。ぜひ意識してみてください。

それでは、今回説明したことで分からない点や質問があったら、こちら連絡してください。次回はある程度数が絞られた単語を記憶していく際にどのような方向性でその作業を進めるべきなのかということについて説明したいと思います。

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