脳の記憶に関する性質に副った形で学習を進めていきましょう - 英語学習の勧め⑱ -

(2010年06月07日 05:40)

こんにちは。SOLの余語です。
前回までは単語や成句表現について、記憶すべきものを絞り込むという話をしてきましたが、今回は、実際にどのような取り組みをしたら記憶すべきものが最もよく頭に定着するのかということに話を進めたいと思います。

単語帳などを作成し、そこに書き出したものを反復して確認するようにしましょう

単語や成句表現を覚える時には、ターゲットを明確にするために、知らなかったものを単語帳などに書き出していくのがよいでしょう。そして、書き出したものが一度に記憶できると考える数(20個でも50個でも構いません。これは人によって違いますので、いろいろと試してみてください)に達した時点で、そのリストにある単語などを覚えるようにしてください。

なお、上で書いたようなリストにある単語などの意味を頭に定着させるためには、記憶しようとする取り組みを一度行うだけでは足りず、ある程度の時間をおいて本当に覚えられたのかを確認することが必要になります。記憶は脳への定着の具合から、短期記憶と長期記憶に分けられますが、長期記憶を形成するには反復してある情報を頭に入れたり、その情報が定着しているかどうかを確認したりする必要があるからです。

ただし、このような確認作業を毎日行う必要があるということではありません。リストにあるものを記憶したと思ったら、2日後に確認してみましょう。そこで覚えられていたものに関してはその4日後に確認し、その次の確認は8日後というようにインターバルを倍に増やしていき、確認作業の間が2ヶ月になっても覚えているものはもう確認する必要はありません。

一方、こうした確認作業の間にも、その過程で覚えられなかったものも含めた新たなリストを作り、そのリストの記憶に同様に進めます。ただ、複数のリストの確認作業を、これは4日後、こちらは8日後などというように進めていくのは煩雑でしょうから、「単語・成句確認日」を週に2日設定し、たとえば水曜には最新のリストの確認だけ、日曜には直近2つのリストの確認、2週に1度は日曜に全リスト(2ヶ月経ったものはもちろん除きます)の確認、というように大雑把に確認日を決めていく方が継続しやすくてよいと思います。とにかく重要なのは繰り返し確認することです。

複数の感覚器官に訴えかけることも重要です

最近、日本のテレビ番組などで見かけることが多い茂木健一郎という脳科学者によると、物事を記憶する時には、複数の器官に訴えかけるように取り組むのが最も効率的であるようです。例えば、彼は単語を発音しながら紙に書くという方法を提案していますが、この方法では、視覚も聴覚も、発声や筆記関連の運動神経や筋肉も用いることになるため、望ましいと言えます。

この点、僕らの生徒にも単語などのリストを眺めることだけで記憶しようとする人がいますが、そのようなやり方では情報を頭に定着させるのに大変時間がかかってしまいますし、記憶することを苦痛に感じたり、そのような行為を避けたりするようになりがちです。

単語を紙に書きながら、音読する形で記憶しようとするのはアナログ的で時代遅れのやり方に思えるかもしれませんが、僕自身の体験からしても、生徒の学習を見てきた経験からしても最も有効な手段の一つであるようです。慣れるまでは大変かもしれませんが、このような手間を惜しまないことで、充実した語彙力を習得するようにしましょう。

それでは、今回説明したことで質問などがある人は、以下のリンクから連絡してください。次回からは、単語を記憶していく際に注意してほしいことについて述べようと思います。

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