単語の使い方も一緒に覚えていきましょうvol. 3-英語学習の勧めvol. 22

(2010年11月17日 15:00)


こんにちは。SOLの余語です。
前回、前々回と、単語の意味を覚える際に、その使い方も一緒に覚えていくことの必要性について説明してきましたが、今回は大学受験セミナーの英語授業の教材で、ある単語のあまり注目されていませんが、目にする機会は多い使い方にふれる機会がありましたので、それについて述べたいと思います。


whereの特殊な用法


SOL帰国生大学受験セミナーでは、TOEFLや入試の英語試験対策として、英語圏の高校生や大学1、2年生の読む長文を多読・精読するクラスを設けていますが、その中でテロ行為を法律的に正当防衛として正当化できるかどうかを検討した上で、どのように対策することが適当であるのかということを論じる文章を教材とする時間がありました。そこには、以下のような文が登場します。



例文①
Terrorism might then be seen as a form of self-defence where the imbalance of weapons and power would make a direct military confrontation unrealistic as a way of securing goals.


この文を読んで多くの生徒が混乱したのが、whereの用法です。whereは通常、以下のように疑問文を導くもの(このような用法を疑問詞としてのものと呼びます)か、その前に場所を表す語が来ていて、その語の詳しい説明をする文を導くもの(このような用法を関係副詞としてのものと呼びます)として使用される語とされています。



例文②
Where did he get that painting? / I asked her where he was going but she didn’t reply.(疑問詞としての用法)
例文③
This is the room where Mozart practiced piano.(関係副詞としての用法)


しかし、例文①のwhereはこの2つの用法のどちらにも該当しません。まず、疑問詞としての用法の場合、例文②のように、whereが疑問文の一部となっているか、ask、inquireなど、where以下が疑問文であることを示唆する言葉と共に用いられている必要がありますが、例文①にはクエスチョンマークがありませんし、間接的な疑問文であることを示す語には見当たりません。


また、例文③のような関係副詞としての用法では、whereの前にそれが指すことのできる場所などを表す語があることが基本的に必要になりますし、This is where I grew up.のように場所を表す語がwhereに含まれていると理解しようとしても、その場合にはwhere以下の部分がなければ文が成立しないこと(そのような意味で文の構成要素になっていること)が必要になります。例文①ではwhereの前の文が完結してしまっていますので、この用法にも当たらないことになります。


そこで、辞書を調べてみると、whereに接続詞(2つの文をつなぐ語)としての用法があることが分かります。例えば、ジーニアス大辞典には「…する場合に(は)」という意味になることが説明されていますが、例文①のwhereの前後には完結した2つの文があるので、whereを接続語とし、「そうであるならば、武器や戦力の不均衡によって直接的な軍事的衝突が目的を達成するための手段として非現実的なものとされる場合、テロ行為が自衛の1つの形態としてみなされるかもしれない」という意味を表していると考えるのが適当ということになります。


始めに書いたとおり、whereのこのような用法はよく目にするものでありながら、品詞まで注意を払って読むことは少ないと思います。辞書で意味をしっかり把握して学習を進めていきましょう。


それでは、今回の内容に関して、質問などありましたら、お問合せフォームよりご連絡ください。


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