TOEICやTOEFLを受験しておくことの必要性について ―英語学習の勧めvol. 24―

(2010年11月29日 13:44)


こんにちは。SOLの余語です。
以前の「英語学習の勧め」で、英語運用能力を向上させるためにTOEICやTOEFLを定期的に受験しておく必要があるといった話をしたかと思います。その際、これらの試験のスコアの提出が出願条件、もしくはスコア自体が英語テストの代わりになる大学があるということを述べましたが、今年度の受験ではそのような大学の数が増加しました。

例えば、青山学院大学の文学部英米文学科がそうです。この学科はその他の学部・学科と同様に帰国子女入試を行っており、そこではTOEICやTOEFLのスコアの提出や一定のスコアを取得していることが出願要件の一部とはなっていませんでした。しかし、今年度の入試から帰国子女入試制度から脱退して、この学科単独で「英語資格取得者自己推薦入試」という制度を設けました。この制度では、入試科目に変更がありましたが(英語試験と面接から英語・日本語による小論文試験と面接試験)、出願の際にTOEIC、もしくはTOEFLのスコアを提出することと、そのスコアがTOEICであれば730点以上、TOEFL iBTであれば68点以上でなければならないということが出願条件に付け加えられました。

また、法政大学の「帰国生のための入学試験」ではこれまで、多くの人が受験する入試の中では前回紹介した早稲田大学帰国生入試に次いで難しい(そして、英語運用能力が総合的に試される)英語試験が実施されていましたが、今年度からはそれが廃止され、TOEFL iBTのスコアの提出が義務付けられることになりました。入試要項を見る限り、ICUの帰国生入試のようにTOEFL iBTのスコアが英語試験の代わりとなるようなことは書かれておらず、一次試験である書類審査としか関係のないように思えますが、今年SOLから受験した生徒などを見ていると、スコアが最終的な合否にまで関係していると推測できます。

その他にも、明治大学の国際日本学部では最低限必要なスコアが上がったり、文学部では特定の国の大学入学資格取得試験を受けていない人にTOEFL iBTのスコアの提出を求めるようになったり(これについては、明治大学文学部の入試課とSOLの生徒との間で一悶着ありましたが、それについては前島がメールマガジンで記事にする予定です)と、TOEICやTOEFLを受験していないことで受験できなくなる大学が増加しましたし、これらについて十分なスコアを取得していないことで合格を逃してしまう人も増加しました。

そして、このような傾向は来年も続く見込みです。現在発表されている限りでは、早稲田大学の政経学部AO帰国生入試が廃止され、一般生と合同で行うAO入試となりますが、そこでは英語試験が廃止され、代わりにTOEFLのスコアが用いられることになっています。また、帰国生入試は一般入試と異なり、出願要件や入試科目が予告なく変更されることが度々です。今年度の入試でこれらの試験のスコア提出が必要だった大学に関してはSOLでも資料としてまとめる予定ですし、大手予備校からも情報をまとめたものが出版されて、来年以降受験を予定している人も今年度の状況については知ることができると思いますが、そこにTOEICやTOEFLの受験の必要はないと書かれている大学を受験しようと考えている人も、「自分の受ける大学では必要ないんだ」といって安心してはいけません。「自分の受ける大学」はたいていかなり限定して考えて考えられており、実際はそれ以外の併願校が必要になりますし、「自分の受ける大学」の入試自体が来年度以降に変更となる可能性もあります。万が一(よりははるかに起こる確率の高いことです)の備えとして、TOEICやTOEFLを受験するようにしてください(できればスコアアップを目指して定期的に)。

それでは、今年度の入試に関して大学別の情報などをご希望の方は、以下のフォームよりご連絡ください。

【SOL無料教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

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