単語などの意味を推測する力も身に付けるような方法で学習しましょう -英語学習の勧めvol. 26-

(2010年12月06日 14:19)


こんにちは。SOLの余語です。
前回まではTOEICやTOEFLの受験の必要性などについて述べましたが、ここでテーマを英語学習の方法の方向に戻し、単語や成句表現の学習に関しての話を続けたいと思います。

授業で単語や成句表現の学習の話をすると、生徒から必ずお勧めのテキストについての質問を受けます。そのような際に、僕は日本の本屋に行くとよく見かける単語とその意味が羅列してある単語帳のようなテキストではなく、Z会が出版している速読英単語のように、学習目標となる単語や成句表現が使われている長文が一緒に掲載されているようなテキストを勧めています。

それは、学習目標以外の単語や成句表現を効率よく学習することができますし、単語帳のような退屈なものを眺めているよりは、何か内容のある文章を読んでいた方が興味をひかれることが多く、学習が長続きしやすいということもあります。また、授業などで習得した単語や成句表現、文法に関する様々な知識を実際に使える状態にするには英文を多読した方がよいということも、長文付きの教材を勧める理由です。

しかし、このような教材を勧めるのは、効率的に学習を進めるという学習効果などを狙ってということだけではありません。英文を読んでいく時に必要不可欠となるある能力(もしくは、英文に対するアプローチの仕方)を習得していくために有効だからということもあるのです。その能力とは何かと言うと、英文を読む中で出会う意味の分からない単語や成句表現の意味を推察する能力です。

海外の現地校や海外校での授業や自分で英語を学習していく中で目にする単語や成句表現の数は、実際に使われる可能性があるものより少ないことは当然のことです。また、英語の本や新聞、雑誌の記事を読む時には、自分の興味や関心がその選択に反映されますので、そこで習得できるものには偏りが生じてしまうでしょう(僕の場合、社会科学系や人文科学系の文章を読むことが多いので、自然科学系のものを読む時には、辞書がいつにも増して必要になります)。そのような限界を克服し、TOEFLや帰国生入試の英語試験で出題される英語の文章(TOEICは海外での生活経験の中で出会うことの多い単語や成句表現が使用されることが多いので、このような限界を感じることが少ないかもしれません)を読みこなしていくためには、自分のわからないものの意味を推察する能力を身に付けておくことが必要になるのです。

このような能力を向上させるには、日本語が母語になっている人の場合、日本語で書かれた様々な分野の文章を読み、知識を蓄積しておくことも効果的ですが、意味の分からない単語や成句表現がいくつかある文章(知らないものばかりだと推察することもできません)を読む経験をし、自分なりのアプローチを追及していくことも必要になります。それによって、例えば、「この文章の頭にはbutがあるので、この単語には前の文章の内容を打ち消す意味があるはず」というような形で、自分の知らないものの意味を推察できるようになるのです。

海外の現地校や海外校に通う人には、一定の時間の中で多くの課題をこなさなければならない状況の中で、ここまで述べたような能力を高めている人が多いと思いますが、さらに自分なりのアプローチを洗練する機会を持つことによって、TOEICやTOEFLなどの受験だけではなく、高校での授業も充実したものになりますので、意味のわからないものを理解するためのアプローチを習得するということも意識しながら学習を進めてください(だからといって、推察する能力にばかり意識が向かうことにも問題がありますが)。

それでは、今回の内容でご質問などありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

【お問合せフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/

トップへ戻る