南半球の高校に単身留学している人の大学受験についてvol.1 ―帰国生大学入試についてvol.48―

(2011年10月18日 15:45)

こんにちは。SOLの余語です。
今年も有名私立大学の帰国生入試が始まり1ヶ月以上が経ちましたが、オーストラリアやニュージーランド、南アフリカといった南半球の高校に通い、来年度に帰国生入試を受験することを考えている人にとっては、その準備をどこでするのかということを考え始める時期でもあるでしょう。「帰国生大学入試について」では、今回から南半球の高校に単身で留学している人がこれから大学受験の準備としてどのようなことを行うべきかということを、折にふれて説明していきたいと考えています。

海外の高校に単身留学しているという人はアメリカやカナダ、スイス、アイルランドといった北半球の国々にもいますし、南半球の現地校で学ぶ日本人には、保護者の仕事の都合で渡航している人もいます。それでは、なぜ今回からの記事の対象を南半球への単身留学生に限定するかというと、それは彼らが日本の大学の帰国生入試において最も大変な思いをすることが多いからです。

以前からブログやメールマガジンで説明してきましたが、日本の大学の帰国生入試は北半球の国の教育制度を基に制度が設計されています。そのため、例えば、慶應義塾大学の各学部や明治大学の政治経済学部では、南半球の高校生にアメリカの大学入学資格取得試験であるSATの受験を出願条件として求めています(ただし、慶應義塾大学の入試では、卒業した翌年に受験する場合には、SATなどの受験は必要なく、自分の滞在する州や国の統一試験を受験していれば、出願資格を有していることになります)。

また、受験により重大な影響を及ぼすものとしては、有名私立大学の入試は9月から11月の時期に集中しており、南半球の高校が授業を行っている期間と重なっているということが挙げられるでしょう。そのため、南半球の高校に通う人は、受験をする年の5~6月に北半球の教育制度を採る高校を卒業する人に比べて、大学受験準備のための準備期間を十分に取ることができないことになりますし、多くの人が入試期間に日本と滞在国の間を行ったり来たりするということになるのです。

このような日本の大学の帰国生入試制度に見られる不備(より正確に言えば、世界における日本人の活動範囲が拡大した現代社会の状況にup-to-dateできていないこと)は、南半球の高校に通う人一般に影響を及ぼすものですが、単身で留学した人(特に、中学までは普通に日本の学校に通い、高校1年や2年から留学した場合)にとってはより大きな問題となります。それは、海外に滞在した期間の短さや、単身留学生の英語の学習状況によります。これらの事情については、次回以降の記事で詳しく説明することにします。

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