南半球の高校に単身留学している人の大学受験についてvol.8 ―帰国生大学入試についてvol.55―

(2011年12月19日 14:35)

こんにちは。SOLの余語です。
前回まで、オーストラリアやニュージーランドの高校に単身で留学している人(アメリカやカナダ、アイルランドへの単身留学生にも共通する話が多くあったかと思いますが)にとって、首都圏の有名大学の帰国生入試が厳しいものであるということを述べてきました。

今後は、厳しい入試状況に対応するためにどのような形で受験準備を進めていくべきかということについて述べていく予定ですが、インターネットを中心に情報を集めたり、高校の先輩で受験を終了した人から体験談を聞いたりした人の中には、これまでの記事の内容に違和感を覚えた人もいるかもしれません。実際にSOLに送られてくる教育相談のメールにも、帰国生入試における競争が(一般入試に比べて)緩やかなものであるという前提に立って書かれたものがあります。今回は、これまでの記事に対する補足説明として、帰国生入試に関する情報を集める際の注意点を説明したいと思います。

まず、第一の注意点は、ある大学の帰国生入試に関する情報に接する際には、それがどの学部・学科のものかを確認しなければならないということです。例えば、以前の記事でも述べた通り、早稲田大学では法学部や政治経済学部、商学部、文学部、文化構想学部とそれ以外の文系学部では合格するのに必要な英語運用能力は大きく異なります(中でも、人間科学部は、TOEFL iBTのスコアが70程度の人でも合格することがあります)。また、学習院大学では、同じ文学部でも、心理学科とそれ以外では競争の激しさや入学に必要とされる学力が異なります。このような状況を考えると、ある大学に合格した人からどのように受験対策を行ったのかというような話を聞いても、学部・学科を確認することなしに、それをその大学の入試の全般的な傾向として一般化してしまうことは危険なことだと言えるでしょう。

また、受験体験談などを聞く時には、話をしてくれる人がいつ受験をしたのかということを確認しておくことも重要です。帰国生入試は出願条件や学科試験の出題傾向、合格者数などが毎年変更される可能性があるものです。それに加えて、帰国生として大学入試に臨む人の数は年ごとに変化しますが、大学側がそれに合わせて合格者数を必ず増減させるというわけではないので、競争がある年に突然激しくなったり、緩やかになったりということがあります。例えば、昨年は受験者数が例年に比べても多く、それに合わせて競争も僕がこれまでに体験したことがないほど厳しいものになりました。しかし、今年は東日本大震災後の原発事故を重く見た人が多かったためか、多くの大学で受験者数が減少したようで、SOLの生徒で順調に受験を終えた人が昨年よりも多かったように思います。競争の厳しさが社会状況などの影響を受け変化しやすい帰国生入試では、その点に意識を置いて受験情報に接することが重要になるのです。

今回の記事で述べた点に注意しながら受験に関する情報を収集することは、個人で行うには難しいものだと感じる人がいるかもしれません。その場合には、大手の予備校などが発行している受験情報誌を購読したり、SOLの帰国生大学受験メールマガジンの配信登録をしたりしてみるのがいいでしょう。また、SOLでは教育相談も受け付けていますので、正確な受験情報の入手を希望している人は以下のフォームから連絡してください。

【教育相談フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/consultation/form.html

【帰国生大学受験メールマガジン配信登録フォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/register/

それでは、今回の内容に関して、ご質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

【お問い合わせフォーム】
https://www.schoolofliteracy.com/contact/



トップへ戻る