アメリカの高校に通う海外生の皆さんへ ―帰国生大学入試についてvol.12―

(2011年1月12日 16:06)


こんにちは。SOLの余語です。
2011年に入って早くも1週間が経ちましたが、現在通っている高校を6月に卒業する人にとっては、今後の進路について真剣に考える時期でしょう。僕らのところにも、例年、多くの教育相談が寄せられますが、今回はその中で目にする頻度の多いものについての話をしたいと思います。

アメリカ合衆国には、コミュニティー・カレッジと呼ばれる2年制の教育機関がありますが、TOEICやTOEFL、SAT、ACTなどの統一試験のスコアが思うように伸びなかったり、大学で学びたいことがはっきりしないと考えたりしている在米中の人の中には、コミュニティー・カレッジに2年間通ってから日本の大学に編入しようと考える人がいるようです。しかし、このような決断を下す前には、以下の点について注意しておくことが必要です。

まず、日本の大学の編入試験は、3年次に編入する学生を募集する形で行われるのが一般的ですが、基本的な性格としては欠員補充のための制度です。また、日本の他の大学からの編入を前提としている場合が多いため(多くの大学の場合、外国の大学や短期大学に通っていた学生の出願要件について、入試要綱では説明されていません)、アメリカでコミュニティー・カレッジを卒業した学生に受験が認められるかについてもよくわかりません。このような事情から、どこかに編入できるかについては見通しが立ちづらいということになります。コミュニティー・カレッジでアメリカの4年制大学への編入資格を得ている場合でも同じです。

また、外国の大学や短期大学で学んだ人の編入を入試要項内で明確に認めている上智大学のような大学の場合、アメリカのコミュニティー・カレッジに通った学生には、準学士号(associate's degree、文系であればThe Associate of Arts、理系であればThe Associate of Science)の取得が必須とされますし、TOEICやTOEFLなどで一定以上のスコアを取っておくことが出願要件として加わる場合もあります。海外生や帰国生に人気のあるICUでも、外国の高等教育機関に通った学生を対象に編入試験を実施していますが、その「本科生」であることが求められていますし、編入後の単位の認定に関しても一定の制限があります。

最後に、編入試験が受験できない場合、帰国生入試やAO入試を受験して大学入学を目指すことになりますが、帰国生入試の場合、高校卒業から大学入学までの期間(早稲田大学の場合は、出願までの期間)に関する出願要件が設けられていることが一般的です。多くの大学ではこの期間が2年間となっていますが、この要件を満たすことができないと、この点での資格条件が緩い上智大学帰国生入試のような競争の厳しい受験しか選択肢に残らなくなってしまいます。このようなことを考えると、コミュニティー・カレッジに一旦入学するかの判断は、その後の学生生活に重要な影響を及ぼすものであると言えるでしょう。

学部学科選びは実際に大学受験の準備を行っていく人が大半であることは前にも述べましたが、時間的な余裕がほしいという理由だけで、アメリカのコミュニティー・カレッジのような大学と高校の中間にある教育機関への入学を決めるのは避けた方がいいでしょう。ここで書いた事情を考えると、高校を卒業した時点で大学受験の準備を始めた方が、将来の展望が開けると思います。

それでは、今回の内容に関して質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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