実情に合わない小論文指導についてvol.1 ―帰国生大学入試についてvol.13―

(2011年1月21日 18:02)


こんにちは。SOLの余語です。
「帰国生大学入試について」シリーズでは、vol. 9からvol. 11で、小論文対策の指導において、生徒に「個性的」であることを求めることが実情に合わないものであり、生徒の小論文を書く能力の伸長を妨げるものであることを述べました。生徒の実際の状況や、大学が帰国生入試で小論文試験を課す目的に合わない指導はこれだけではありません。今回は、文章構成に関する指導で見られるものについて述べたいと思います。

文章を書く型はその内容によって様々なものが考えられますが、一般的によく知られているのは「起承転結」でしょう。小論文の書き方などに関するテキストを読んでいると、この型が小論文を書くのに望ましい型だと解説されていることがありますし、インターネットで小論文について検索すると、小論文を書く時にこの型をどのように用いるべきかという質問が多く投稿されているのを確認できます。

また、現在、SOLでは来年度に帰国生大学入試を受験するオーストラリアやニュージーランドの生徒が通ってきていますが、その中に大手予備校から転籍してきた人がいます。その生徒から聞いた話では、その予備校の夏期に行われた南半球の高校生を対象とした授業で、小論文は「起承転結」に従って書くべきという指導が実際になされたそうです(僕らが他の予備校の授業を見学することは難しいことですので、今回の記事も、生徒からの伝聞情報に基づいて書いています。すいません)。

説明する必要もないかとは思いますが、「起承転結」という型は、文章を4つのパートに分け、それぞれに以下で説明するような役割を割り当てるものです。

「起」→これから何を話題にするのかを提示する
「承」→中心的な話題について説明を加えたり、状況を展開させたりする
「転」→ここまでの話の流れに変化を与えて、内容を発展させる
「結」→全体を締めくくる

これは元々、詩を書く際に望ましいとされてきた構成を文章にあてはめたもので、物語文や経験文のように、何らかの出来事についての文章を書く場合に、読み手に文章を興味深く読んでもらうようにするためには有効な型です。例えば、落語やジョークにおいて「おち」をつけるというのはこの型を意識したものでしょうし、推理小説なども面白く感じられるものの多くは、「起承転結」という流れに従っていると言えるでしょう(主人公が重大なヒントを手に入れる場面や犯人が明らかにされる場面が「転」に当たります)。

このように出来事についての説明を行うのに有効な型である「起承転結」を小論文に適用することになると、どのような文章構成をすることになるのでしょうか。これについては、「脳死と判定された人の臓器を移植することは許されるか」というトピックを用いて、次回の記事で具体的に説明しますが、このブログをお読みの方々にも考えてもらえればと思います。

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