現在形(the present tense)の用法についてvol.2 ―英語学習の勧めvol.46―

(2011年2月22日 17:15)

こんにちは。SOLの余語です。
前回は、現在形(the present tense)という時制表現が、その名前の与える印象と異なり、現在の習慣や繰り返し行っている動作を表す際に用いられるものであることを述べました。今回は、そこから派生する現在形の用法を紹介したいと思います。

高校で科学のクラスのとっている人は、ガリレオ(Galileo Galilei)という人の名前を耳にしたことがあると思います。ガリレオは望遠鏡を使った天体観測を通して、当時常識とされていた天動説(太陽や他の星が地球の周りを回っているという考え方)を否定し、地動説(地球が太陽の周りを回っているという考え方)を確立したとされている人物ですが、その彼の功績を英文にすると以下のようになります。

Back in 1609, Galileo Galilei made his telescope and found that the Earth is not the center of the Universe and it revolves around the Sun.

この文を読んで、不思議に思った人がいるかもしれません。そして、ここで述べられていることが過去の事実で、文全体の述語はmadeやfoundのように過去形(the past tense)になっているのにもかかわらず、発見した事柄を表すfound thatに続く部分の動詞がisやrevolvesという現在形になっていることが、そのように感じる理由なのだと思います。

しかし、英語では、現時点で正しいと認められている科学的な法則や、時間に関係のない真理と考えられているものを表す時には、文章の他の部分がどのような時制表現で書かれていようとも、現在形を用いることができるということになっています(日本語で書かれたテキストには現在形のみを用いるという書き方がなされていますが、実際には過去形を用いた文も多く見かけます)。

このような時制表現が認められている背景には、ある科学的法則や真理が真実であると認められるためには、それが実際に繰り返し起こることを証明しなければならないということが関係しています。福岡伸一氏などの本を読むと、科学者が自分の発見した事実が再現可能なものであることを証明するために大変な苦労をしていることがわかりますが、学問の世界では、その試練を克服したもののみが真実とされます。そして、正しいとされる科学的な法則や真理は現在繰り返し起こっていることなのですから、現在形で表記することができるということになるわけです。

このように、英語の現在形は文章全体が表わす時間帯と関係なく用いられることがあります。以下に例文を辞書から引用しておきますので、今回説明した内容を確認してみてください。

The scientist concluded that lack of oxygen is fatal to humans.
Newton found out that there is a force that causes everything to fall toward the ground. How do human languages attain this marvelous flexibility?

それでは、今回の内容について質問などがありましたら、以下のフォームよりご連絡ください。

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